第345話 遊びのコントと本気のコントじゃレベルが違う。ちゃっちいモノを文化祭とかでやると地獄絵図

ここは百合愛病院。日本でも有数の指折りの大病院だ。天才医師 五十嵐 忍を筆頭に名だたるメンツがそろっている。そんな病院の今は昼休憩。


「あ~疲れた。」

「お疲れ。」

「大手術だったもんね?」


倒れこむのは香織。アリスと愛梨がパタパタと手で風を起こす。


「ちょっと聞いてよ!コイツ!彗のヤツ自分のミスを私に押し付けたんだよ?」


「押し付けてねーよ。アレはお前のミスだろ!」


「何がだよ!お前があんなミスしなきゃな!もう少し早く終わってんだよ!」


「何を!」


「何だよ?」


「あ~あ~いつもの始まった。」


「仲良いよね~2人とも。」


「ホント先輩達はいつも賑やかですね?」

「賑やか………賑やか………」


「あ、雫ちゃんに乃蒼ちゃん。どう?少しは慣れた?この病院?」


「慣れた、と言えば嘘になりますね~。」

「デカすぎて…………落ち着かない………」


「アハハ。まっ、ゆっくり慣れていこ?あ、あそこにいるのは。心音~!心音~!」


「…………うん?私?」


「私?じゃないよ?呼んでるじゃん。こっちおいで?はなそ~!休憩時間なんだから。」


「あ~、あ………同僚設定なのね………あ~、はい。」


「心音!お疲れ様!」


「お疲れ様…………」


「な、話は変わるんだけど。」


「急だね。いいけど。」


「皆彼氏いる?」


「いるよ!」

「いる。」

「いる!」

「いる。」

「いる………」


「私にはあの天才執刀医 社 晃太くんがいるから。」

「私も晃太様だから。」

「は?」

「本人にも知られてるし。」

「メスで切り裂くぞ?」

「切ってみろよ?おい。」



「私は天才とかじゃないけど内科の進藤 優先生。カッコいいんだけど弱虫なんだよね?何とか脳の手術とかで治せないかな?」


「私は隣の乃蒼。」

「雫…………」


「そこが付き合ってるって知った時ビックリしたなぁ。」

「けど、今じゃ周り全員公認のカップルになったからね!凄いよ!」


「まぁ、愛が違うから!」

「重さが………」


「重さなら全員等しく重いわよ?アリスはあの忍さんだもんね。」


「凄いよ…………あの人と付き合ってるとか怖くないの?」


「全然!怖くないしめちゃくちゃ優しいよ?また皆に会わせてみたいな~!」


「え~、何か怖いな~。あ、怖いと言えば心音?」


「あ、は、は、はい?何でしょう?」


「固いよ?リラックスリラックス!」


「あ、ハハハ…………」


「心音の付き合ってる人ってあの黒井 和虎でしょ?」


「う、うん。それが?」


「あのクールぶって一匹狼気取ってる医者。確かに腕はあるけど…………大丈夫なの?」


「あ~…………そういう悪い系の設定なのね…………あ、うん。大丈夫大丈夫。全然…………」


「おい。心音。」


「はい?ってえ?」


「ちょっと借りていくぞ。」


「ちょ、離しなさいよ!ちょ!」






「ちょ…………何処まで………って」


「ここは階段の下誰も来ない。」


「あ、ここ階段の下設定なの?」


「お前さ?オレのことベラベラ喋ったよな?」


「そんなに喋ってな………」


「オレと付き合ってること事態隠すって約束だったのに。何全部あっけらかんにしてるわけ?」


「ごめん………」


「ごめんじゃすまねー。目をつぶれ。」


「え?」


「目をつぶれ。」


「え?い、いや………」


「じゃあそのままでいいから………」


「ちょ、何?拘束?」


「これはお仕置きだ。」


そう言うと黒井は心音の唇に唇を重ねた。


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