第338話 交際期間がモノを言うのではない。1日1日の濃厚さが重要なのだ。
「では順番はどうされますか?」
「順番ねぇ~………」
悩む皆。
「恋人のクイズとなると付き合った時間が関係するんじゃない?」
「付き合った時間は確かに比例するかも知れないね。」
「間違いなし…………」
「ということは付き合った時間が長い、交際期間が長いカップルから順番にする、ということですね?」
「………………」
1人の男の発汗が激しくなる。
「俺と心音はさっき、数分前だから一番最後だな?」
「あんま………デカイ声で言わないでよ…」
「私たちは昨日か?乃蒼の告白からだから」
「昨日………1日?いや、半日?………」
「私と忍はまだ1ヶ月経ったかな?位かな?」
「そうですね。あの事件が起きたのが最近ですからまだ1ヶ月ほどですかね?」
そうか………あの忍先輩の鬼の姿を見たのって1ヶ月程度の前のことなんだ…………
濃い。濃厚。ラーメンなら濃厚すぎて箸が立つレベルで、濃い、濃厚な毎日を過ごしてるな……………俺ら……………
「で私たち、晃太くんと私が付き合ったのが!アリスよりも早いから大体1ヶ月半位かな?」
「1ヶ月半なの?そんな付き合った?いや、まだそんなけしか付き合ってない?」
もうどっちともとれるから。早いなーでもとれるし。遅いなーでもとれるし。人間の脳って慣れると怖いよね。老化はしないけど進化はしてないよね。マジで。
「え、私は?」
「お前はお邪魔虫だろ?」
「誰がお邪魔虫だ?あ?」
「ステイ。ステイ。ステイ。荒立つな。荒立つな。」
「私は?何日になるの?」
「知らん。俺に聞くな。」
「じゃあ誰に効くの?」
「己に問えば?」
「……………。半月。半月くらいだって。」
「もうそれでいいやん。半月で。OK。OK。」
めんどくさいわ。
………そして残された2人。
落ち着いた様子の女と発汗が止まらない男。
「百舌鳥様。貴女方のカップル歴は………」
「半年。だよね?優くん?」
肩を思いっきり叩かれビックリの前に恐怖を滲ませる進藤。
「半年!では一番長いですね!ではでは回答席にお座りください!」
「はーい!ちょっと待ってくださいね!」
進藤を隅に連れていき話す百舌鳥先輩。
その言葉が何故か晃太の耳には届いた。
「半年付き合って半年何にも手をつけなかったゆ~うくん?一番手だね?どうする?」
「ど、どうする………って。」
「私の好きなモノ分かる?好きな芸能人分かる?好きな歌分かる?」
「…………………」
「楽しみにしてるから。あ、あと。間違えたら間違えた分夜のセックスの罰、いやオモチャや行為が激しくなると思ってね?じゃあ行こうか?」
「……………」
回答席に連れていかれる進藤の目は絶望と死で埋めつくされていた。
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