第336話 人のヤバさ見て我がヤバさを知り新たなヤバさを見つける

「で、そんなことより!アンタ大事なことがあるから呼び出したんじゃないの?」


「大事なことじゃなくて楽しいことね?あ、あと和虎な?」


「あ、は、は、はい………和……虎……」


「はい。OK!心音も言ってくれたしやりますか!

チキチキ!第1回一番の恋人は誰だ選手権!」


「「「「「いぇ~い!」」」」」


「ちょっと待てい!」


「どうした?晃太?」


「晃太?じゃないっすよ?黒井さん。」


「晃太も和虎って呼ぶか?」


「いいですよ。話また拗れそうだし。」


「あっそ。で何?」


「何?じゃないですよ?チャラいな………」


「元々はこっちが本性だから。」


「はいはい。分かりました分かりました。分かりましたの上でなんすか?恋人選手権って?」


「その名前の通りだけど?」


「その名前から理解不能なんだわ。」


「え?説明いる?」


「いるでしょ?」


「何か皆はいらないって顔してるけど?」


「いいからしてください!」


ちょっと不服そうな黒井だったが説明を始める。


「恋人選手権とはこの中にいる恋人

俺と心音 百舌鳥様と進藤様 アリス様と忍様 雫様と乃蒼様 そして晃太様と香織様 この恋人たちで争うというかほのぼのとクイズをしたりするゲーム大会ですね。」


「ちょ…………」


香織の顔が暗くなる。


「黒井………アンタ私と晃太くんが付き合ってることはまだ話して…………」


「香織。」


「お姉さん…………」


「心音でいいから、アンタ晃太の恋人なんだって?」


「………はい。」


「本気で?愛する」


「愛して愛して愛するつもり。いや、愛します。これは決定事項です。」


「………………私もブラコン拗らすくらい晃太はいい男だから。」


「知ってます。」


「だから誰かに取られんなよ?」


「意地でも取られません。」


「ならわか」


「何?何?何?何?何?何分かった気でいる訳?私忘れてない?」


あ、めんどくさいのがきた。


「彗…………」


「お姉さま。」


「アンタは何なの?彼女ではないんでしょ?」


「はい。彼女の座は渡しました。が、まだ残る椅子はあったんです。そう愛人。私は晃太様の愛人をしています。綾崎 彗です!」


「愛人?」


せっかく上手く話がまとまりそうなのに……この有り様………


「愛人って…………不倫みたいな感じってこと?」


「不倫…………とはちょっと違いますかね。ぶっちゃけた話、子供、晃太様の赤ちゃんが欲しいって感じで愛人やってます!」


「……………………ヤバ…………」


心音にヤバいって言わせるの相当だぞ?


「だから赤ちゃんさえくれればそれでいいんです。」


「え、晃太は了承してる訳?」


「してる訳ないじゃん。」


「だから了承させるために日々模索中です。」


「…………………がんばれ…………」


「ちょ、姉さん!そこはガツンと言ってくれたらいいじゃん?」


「いや、私もブラコンで弟と結婚するってずっと言ってたじゃん?」


「う、うん。」


「そんな私が言っても説得力ないな……と。」


「説得力とかの問題じゃなくて!」


「晃太のことは晃太が決めればいいじゃん?赤ちゃんはたくさんいればいいじゃん?」


「……………」


最終着陸地点が黒井のその言葉なら世界は終わってるよ。

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