第328話 結局最後に勝つのは圧

「人間が飛んだよ?」


「すごくない……………?」


「黒井さん………何者?」


「あっ、そうか。お前ら知らねーのか。イチャイチャしてたから。」


「イチャイチャじゃない!セックス!」


「間違えないで…………」


「同じだろ…………」


その言葉に誇りを持つなよ………


「とりあえずばっさり説明すると黒井さんは元ヤンキーで少年院行ってたホスト、だよ。」


「いきなりキャラが渋滞したね。」


「キャラが………いっぱい…………ついた……………」


「後で説明してやるから今はそれで理解しろ。」


「「は~い」」


今は説明より観察だろ、観察しないと。






「今後の方針について?って何?」


「決まってますよね?貴女、いや社 心音は私 黒井 和虎が好きなんですよね?」


「うにゃ…………うっ。」


「逃げないでしっかり目を見て話してください。」


「んにゃ………ん…………」


「私は別にいいんですよ?このまま無しにしても。」


「え。」


「私も意地悪が過ぎたなと思ったので、機械のミスということで水に流しますし、貴女の気持ちもなかったことにします。」


「なかったこと…………って。フるってこと?」


「フるとか以前に記憶から抹消します。そうすれば誰も困らない。」


「他のヤツはどうするのよ?」


「だから言ってますよね?機械がミスを起こしたとそう話せばいいだけの話。後は焦った貴女がのってしまって話を合わせたということにすればいい。」


「……………」


「このままずっと平行線じゃ意味もない。だからケジメつけたらいいんです。」


「いや、そんな急がなくても……………」


「急がなくてもいい。なら心音はこのままずっと皆様から変な生温かい目で見られるのを耐えるんですか?」


「ムリ!帰る!」


「帰るんですか?ならさようなら。」


「ちょ、ちょ、ちょ!もっと止めるとかないの!」


「止めてほしいんですか?」


「ほし…………くはないと言えば嘘だけど………」


「めんどくさいですね。」


「こ、恋する乙女はめんど………あ、う、うん!」


「今更誤魔化しても………」


「うるさい!うるさい!」


一方的に黒井のペースだ。


「じゃあ帰りますか?」


「帰って………ちょっと時間経ってから話した………」


「いや、私は話しませんよ?」


「へ?」


「ここでライムの交換もしませんし連絡先も交換しませんよ?」


「な、な、なんで!」


「私、交遊関係狭く深くがいいんです。」


「そこにいれてよ!」


「何枠でですか?」


「え、え~…………これから一緒に働く仲間として!」


「まだ決まってませんし。心音の状況もあるでしょう?そう簡単にはできないでしょう?」


「う、う~!」


「だから帰るなら帰るでこのままこの話は無しに……………」





「あ~!もう!好きだよ!好きです!好きだ!大好きです!私は黒井………さんが好きになりました!」


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