第327話 女は恋をするとめんどくさくなる。男は時間をかけられるとイライラする。そんな生物。

仕方がないので晃太、及び非道2人は屋上の陰で2人の会話を聞くことに。





「何故落ちる気なんですか?」


「バレたから~!」


「私が好きだと?」


「あ~!あ~!もう飛ぶよ?飛ぶよ?」


「やめてもらえますか?うちのコテージに変な評判つくので」


「じゃあ言わないでよ!あっちいってよ!」


「いや、あっち行ったら心音は死ぬでしょ?」


「う、」


「心音が死んだら困るから来てるんだけども………」


「ちょっとアンタ?」


「なんですか?」


「心音、心音、言わないで………」


「はい?貴女が決めたルールですよね?2人きりの時は心音と呼べと?」


「時と場合によるでしょ!馬鹿っ!」


「馬鹿?私が?もうよく分かりませんが…」




「黒井さん困ってるな………」


「2人きりの約束………いいね!乃蒼後でつくろう!」


「つくろう………つくろう………」


「お前ら一応人の命がかかってるからな?理解しろよ?」


2人の空間は勝手に2人きりの時にしといて。




「貴女も私を黒井と呼べばいい?」


「よべなーい!」


「何でですか?」


「もしフラれてたらただの未練タラタラ女みたいで嫌だから~!」


「未練タラタラ………そうなんですか?」


「そうだよ!」


「そうなんですね。これは失礼。」


「てか何でアンタが最初にこの場所に来るわけ?普通違う人が来てからじゃない?普通は?」


「普通がどうかは知りませんが、私が最初ですね?」


「後に続く人もいないし。」


「いないですね………」


ごめん。姉さん。いるけど。バカに絡めとられて動けないわ。


「やはり2人の問題です。2人で解決しましょう。」


「ちょ!いきなりちがづくなぁ!」


「うるさいですね………別にいいじゃないですか。」


「お前………私飛び降りてしまう瞬間なの分かってないの?」


「分かってますよ?」


「なのにその余裕おかしくない?こっちは命かかってますけど?」


「あ、その何十倍も死ぬ思いしてきたので」


「………もういい!飛び降りてや……ちょ、ま、アンタ!何?」


飛び降りようとする心音の体をがっしり掴みそのまま屋上の中央付近まで飛ばす黒井。


「へ?」


何が起きたか分からない心音。


「ふぅ。これでゆっくり話せますね。」


「いやいやいやいや!アンタ!私投げた?」


「投げましたね。」


「人間を投げた?」


「非常事態ですから。」


「非常事態って…………そんな力…」


「心音軽いし余裕でしたよ?」


「軽いとか!心音とか!急に言うな!バカ!」


「バカ?まぁとりあえず命の危機が失くなったところで………」


「何よ?何さ?」


「話し合いましょうか?」


「話し合う?」


「私たち2人の今後の方針について。」


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