第325話 4階建てのコテージから一発でアウトになる方法ってな~んだ?
「お姉さま~」
「心音………」
「お姉さま~」
「心音………」
「お姉さま~」
「心」
「お前らちょっと待て。ちょっと待て待て。」
「何さ?せっかく探してるのに水をささないでよ!」
「スライムのくせに…………」
「誰がスライムじゃ!」
「ツッコミスライム………」
「いねーよ!そんなスライムは!メタルみたいに言うな!」
「何さ?何か問題あるの?」
「問題というかお前ら探すつもりはあるか?」
「うん」
「うん………」
「真面目にか?」
「真面目だよ!」
「真面目………」
「じゃあ聞くが…………雫。」
「あ、私?」
「何でトイレの便座の中を集中的に探してるんだ?」
「え。いるかな?っと。」
「トイレの妖怪じゃねーんだぞ?うちの姉は。」
「でも妖怪みたいな力はあるじゃん?」
「だとしても。それを飲み込んでもトイレの中は探すに値しない!」
「ぶ~。」
「ぶ~、じゃねーよ!」
何で不貞腐れ?
「後乃蒼!」
「何………?」
「ずっと天井の部分ばっか見てないで他のところ見ろよ!」
「え、天井………張り付いてるかな?……って。」
「うちの姉蜘蛛じゃないのよ?」
「でも………ヤバい人だとは………聞いた………雫から………」
「お前以上にヤバくは…………」
「同レベなんだ……………じゃあ………ヤバいね…………天井いるかも…………」
ここで お前らよりヤバくねーよ!って言いたかったが……………充分姉もヤバいの比較対象が難しい………
ともかく。
「もう少しマトモなとこ探せ!」
「マトモね~」
「マトモ…………」
う~ん。と悩んだ末に雫は一つ聞いてくる。
「あのさ。」
「何だよ?」
「お姉さまは皆の前でバラされた訳だよね?」
「バラされた、てかバレた?機械がそうしたんだろ?」
「その時点で相当パニックだったはず。しかも初恋でそれをすぐに明かされるなんて…」
「死にたくなる…………」
「そう!それ!乃蒼、それだよ!お姉さまは今死にたくなってるはずつまり死ねる場所にいるはず。このコテージに拷問部屋とかあったっけ?」
「あるわけないだろ。そんな物騒な部屋…」
「じゃあ………SM部屋とか?」
「変わらないだろ!根本は!」
「屋上…………」
「「へ?」」
「屋上……………このコテージには屋上があるはず。」
「あぁ、確かにあるな………」
「あるね。」
「……………」
「……………」
「行くか。」
「行こう!」
嫌な予感がした。
的中するな。的中するな。的中するな。的中するな。的中するな。的中するな…………
そう思いながらガチャと扉を開けると。
「わだじ じぬ~!」
「ちょっと話をしましょう。心音さん。」
飛び降りようとする人と止める人2人の姿があった。
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