第324話 仲間になりたそうな目でそっちを向いているつもりは微塵もない。

赤青赤青赤青赤青赤青赤青赤青赤青赤青……

点滅は続く。その様子を珍しそうに見る香織、彗、百舌鳥先輩、何故か祈るアリス先輩、忍先輩、ぼーっとする進藤。多種多様の中当の本人達は心音はぴくりとも動かず死んだように呼吸を小さくする。うん?おかしいか。死んだなら呼吸をしてないから呼吸をしてない。いや、でも呼吸はしてるし……あーもうめんどくさい!とりあえず動かず目をつぶっている。黒井はただその目をつぶっている心音の顔をじっと見つめる。

そろそろ点滅は止まる…………

心音か黒井か。神はどちらに味方するのか…



点滅が止まった。


色は。




赤。つまり



「嘘…ですね?」


「………………」


神が味方したのは黒井だった。というかただ単に嘘発見器が有能だっただけかもしれない。


「つまり決まりました。貴女 社 心音は私 黒井 和虎に恋をしてい」


「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


叫びながらまるでトムとジェ○ーみたいなダイナミックに逃げ出す心音。


「捕まえましょう。」


「いや、黒井さん。今はそっとすべきじゃ………」


「勝手に言葉だけ残して逃げるなんて不適切です。やはり教育が必要ですから。皆さん手伝ってください!」


「はい!」

「あい。」

「ほい。」

「………黒井のためだもんね。」

「アリスがそういうなら。」

「え、俺も…………」


「散ってください!」


その言葉と共に散っと消えていく皆。



「ついていけねーよ…………」


「どしたの?晃太くん?」


「うぉぉ!お前か!雫か?急に話しかけんなよ?」


「そんな怖い顔してたら話しかけるでしょ?どしたの?」


「…………事件?」


「乃蒼………お前が事件っていうと腹立つな………」


「もういい加減………しつこい…………忘れる………べき………」


「警察突っ込むぞ?」


とりあえずこの不届き者2人にも状況を説明する。


「ふ~ん。お姉さま、黒井さんが好きだってバレた訳だね?」


「恥ずかしい…………私なら………全員の目玉………つぶしちゃう………」


「人の目を風船みたいに言うなよ。」


何がつぶしちゃう、じゃ。やっぱりヤバいヤツじゃねーか。


「で今皆総出で探してると。」


「私たちも探そう………」


「そうだね。乃蒼のいう通り。晃太くんも来るでしょ?」


「何で来るの確定みたいになってるん?」


「1人取り残されたんでしょ?なら私たちが拾ってあげるよ。」


「パーティ………いれてあげちゃう………」


「俺そんな仲間になりたそうな目でそっち向いてたか?」


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