第309話 明日から変わるって言葉は今から宿題するくらい頼りない言葉だけど彼女は本気。
「はい。別に答えますが………別に答えにくい問題ではないのでしょう?」
「あ、う、うん………」
「何か不安ですが………まぁどうぞ?スタートしてください」
「じゃ、じゃあスタートするわよ?」
ふぅーと息を吐き。
目を開きスタートさせる。
「黒井の下の名前は?」
「え?」
「えって何よ………」
「自己紹介で言いましたよ?聞いてなかったんですか?」
「き、き、聞いてなかった………からその自己紹介の時にした自己紹介をもう一回して!」
「あ、はい。では。私は黒井 和虎。年は37で。アリス様の執事をしてます。好きなモノはブルーチーズ。こんな感じでしたかね?」
「年は37………意外と歳上………だから頼りになる………ってそうじゃなくて!」
「どうしましたか?」
壁にドンドン頭をぶつける奇行を始めた心音。
「あ、大丈夫………気にしないで………じゃあ次の質問いくね?」
「あ、はい………」
「ず、ず、ズバリ聞くけど………彼女はいる?」
「彼女?いませんよ?」
「よっし……じゃない。じゃない。じゃない。」
ガッツポーズを無理矢理元に戻す。
「へ~、いないんだ~、ずっと?」
「まぁ昔はいました。」
「どんなヤツ!」
「近。圧が凄いですね?けど言っても10ほど前ですしあまり特徴は……」
「髪は?」
「髪?」
「ロングかショートかとか。」
「別に気にしませんし。」
「顔の好みとか?」
「好きになった人が好きな顔でしょ。」
「スリムかふくよかとか………」
「制限するのはよくないですし、その人にあった気持ちというモノがありますから。」
「何なの!黒井は好きな人に求めるモノとかないの?」
「求めるモノ………てか何ですか?この質問……………」
「黙って答えて!」
心音の必死な顔に黒井も何か察知したのか、少し考える。
そして。
「条件というかこんな人ならいいな、と思えるポイントは3つあって」
「…………うん。」
「まず趣味が似てる人。私は料理やお酒を嗜むのが好きなのでそういったことが出来る人なら楽しいかな、と。」
「うん!」
「次に自分の仕事に理解を示してくれる方。執事なんて中々ない仕事ですから理解を示して貰えたら嬉しいですね。」
「うん!うん!」
「次、これが一番大事かな?」
「一番?」
「しっかりしてる人。犯罪とか犯さず一般常識を持ってる方。それが一番ですかね?アレ?心音様?」
頭を抱えうずくまる心音。
「どうしたんですか?気分でも悪い?」
「黒井。」
「はい?」
「その常識とかってヤツ今から直してもいける?」
「いけるとは?」
「候補に入る?ってこと。」
「まぁ、状態によりけりですね………」
「よっし。」
「何してるんですか?」
顔を思いっきりパーンっと叩く心音。
そして…………
「明日から変わるから!見とけよ!」
「はい?」
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