第299話 救世主と番犬

「沢 香織…………何でここに………」


「それはこっちの台詞ですけど?貴女饅頭をお地蔵様に届けにいくはずでは?なのに何でこんなところに?」


苦虫を噛み潰したような顔をする乃蒼。


「それに私の大事な人がボロボロなのもどうしてか教えてほしいな?なんでボロボロなのかを。」


「…………………チッ。」


「晃太くん大丈夫?平気………ではないよね?」


「あぁ………ありがとう………けど何でお前こんなところに?」


「雫から話は大体聞いたんだよ。変だと思ってたらその通りだったよ。」


「お前………関係疑ってたのかよ………スゲーな………お前は………」


「お褒めいただきありがと。その褒めはまたセックスの時にしてもらって………今はちょっと休んでていいよ?」


「………すまねぇ………ありがてぇ………」


ハイタッチで選手交代を告げるように晃太は香織にタッチする。




「選手交代。容赦しないからね?乃蒼。」


「………………」


「私の大事な人を傷つけた罪、倍にして返して………」


バキンっ!


間一髪避けた香織。斧は地面を震わせる。


「全部言いきってないのにやるのはナシじゃない?」


「………い」


「あ?」


「……さい。るさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。」


ネジの外れたオモチャのように言葉を連呼する乃蒼。


「あと少しだった!あと少しだったのに!お前が壊した!」


「大事な人をそう簡単に殺させてたまるかよ。」


「私だって大事の人のため!大事な人のためにやってるんだよ!」


「それが間違ってるんだよ。てめえは。」


「お前に何が分かる!?」


「分かる。恋する気持ちは誰でも一緒だから。例えそれが同性でも。」

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