第295話 取られたくないという思いは性的な意味も確実にはらんでいる。

晃太は今恐ろしい話を聞いている。確実に。



「雫から………何年何組の誰かを聞いた私は………急いでそいつのもとに行き………」




「貴方が○○さんですか………?」


「お前誰だよ?てか何で俺の名前を知って………」


「幸山 雫さんと…………付き合って…ますよね?」


「あ?あ~、雫ね?付き合って………」


「気安く雫って呼ぶな!」


「え………?」


「雫の隣にいるのは私だけ。雫の隣にいるのは私だけ。雫の隣にいるのは私だけ。雫の隣にいるのは私だけ。雫の隣にいるのは私だけ。雫の隣にいるのは私だけ。雫の隣にいるのは私だけ。雫の隣にいるのは私だけ。雫の隣にいるのは私だけ。雫の隣にいるのは私だけ。」


「な、な、なんだよ…………」


「雫は………私のモノなんだよぉ!!」




「それからだった。私が雫の彼氏を全て排除していったのは。ある時は浮気のクズ男だったりただのひ弱男子だったりイケメンでクラスで一番人気のあるヤツだったり………色んなヤツと雫は付き合った。雫は可愛いからモテるからね。その都度私がバレないように排除していった。バレないように排除していったつもりだった………あの時までは………」




中学卒業式後 雫と乃蒼は2人きりで独り暮らしの乃蒼の家にいた。


「中学あっという間だったね~。」


「私は………長かった………」


「そう?色々あって楽しくなかった?」


「楽しくない。疲れた………」


「あーそー。乃蒼らしいといえば乃蒼らしいね~。その回答。」


ゴロリと転がる雫は突然爆弾を投下した。


「乃蒼。」


「うん………?」


「アンタ私の付き合ってた人全員に脅迫してたでしょ?」


「………っあ………」


いきなりの言葉に乃蒼の動揺は隠せない。


「私付き合った人結構いたけど全員相手からフラれたししかも3ヶ月もったことないし、変だな~って思って調べたんよ。そしたら、アンタ。乃蒼が出てきた。」


「……………」


「別に怒ってるわけじゃないのよ?別に全員遊び半分だったし、好きな人はいなかったからさ。けど…………何で乃蒼が私の付き合ってる人のことをそうやって脅していくの?」


「…………………」


頭がパニックになった乃蒼がとっさにだした言葉は………


「好きだから……………」


「誰が?誰を?」


「私が…………雫を…………」


もう元には戻れない。そう思ってその言葉を発した。だが………その言葉はより迷宮のラビリンスに入ることになった。


「それは性的な意味で?」


「え?」


「だから……性的な意味で私のこと好きなの?私としたいの?」


「……………」


性的な意味で?

ただ乃蒼は雫をとられたくなかった。ただそれだけでやってきた。その中に性的な意味があるのかどうか………あるのかどうか………


「したい……………かも…………」


「ふ~ん。じゃあ………する?私と。」




これがすべての始まりだった。

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