第294話 狂った日。

「あ?い、今………なんて………?」


今コイツは異常なことを言った気がする。


「雫とお前は………」


「呼び捨てするなぁ!」


「ぐわぁぁ!」


斧の持ち手の部分で吹き飛ばされる晃太。

コイツ………攻撃力………バカ高い………

戦闘力ありすぎだろ………


「と、と、とりあえず………ぐわぁ……お前と雫……さんの関係を教えてくれ………」


「今から死ぬ………君に?」


死ぬことは確定してるのか………能面の顔がゆっくりと首を傾げる。


「………死ぬ前に………関係図だけ……知りたいからな………」


「……………」


少し沈黙した乃蒼は考えたのち、


「わかった………わかってから死ぬ方が気持ちいいもんね………?」


「あ、あぁ………」


気持ちいいとかそんな感情はないのだが今は逆鱗に触れずにいかにいられるかが重要なのだ。だから触れない。


「私と………雫は………幼稚園からの…仲」


逆鱗に触れないでいると乃蒼から話を始めてきた。


「私は昔から無口で…………背が高くて…皆から避けられてた…………キリン女って……そんな私に………唯一話かけてくれたのが……」





「せぇおおきいね!すごい!」


「………………こわくないの?」


「こわい?いや!カッコいい!カッコいいよ!」


「わたし………きりんおんなって………」


「きりん?くびながくないよ?きりんさんじゃないよ!」


「……………」


「わたしは こうやま しずく!あなたは?」


「………みなみ のあ………」


「のあ………いいなまえ!のあちゃん!わたしとともだちになろ?」




「こうして私と雫は友達に………親友になれた………虎の威を借る狐じゃないけど……太陽のような雫と日陰の私で対になっていた。そのせいもあって雫はよく目立ち私はあまり目立たない存在になった。」


ここまで聞いたらただただ雫の株が上がる話だ。


「だけど、中学3年になった時ある事件が起こった。」





「よっす~。」


「雫………これ………何?」


雫の手には一枚の紙が。


「あ、これは!おやおやおやおや!」


「何………?」


「ラブレターだよ!」


「ラブレター?」


「そっかぁ。乃蒼にも春が来たか。おめでたい!」


「私………別に………彼氏いらない………」


「つくったら変わるかもよ?現に私もつくったし。」


「え………?」


「だから乃蒼もつくったら?変わるかもよ?今のとこ私は変わらないけどね!アハハ!」


その後の雫の言葉は乃蒼の耳には入ってなかった………

そして………


「雫………」


「ん?何?」


「………ちょっと聞きたいんだけど………」


「何さ?」





「今付き合ってる人って何年何組の誰?」

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