第292話 腐れ縁とも言えないその関係
サイド。
香織、雫。
「何すか?私と乃蒼が普通の関係じゃないって何いってるんすか?普通の友達。女友達ですけど?他に何かあります?」
「…………………お前付き合ったことはあるか?」
「え?何すか?急にコイバナして。え~。付き合った人はいますよ?まぁ短い関係ばかりでしたけどね~。それがどーしたんですか?」
「…………お前と乃蒼は同じ場所から車に乗り込んだよな?何でだ?」
「何でだ?って言いませんでしたっけ?乃蒼がいきなり来たいって言うから………」
「ホントにそれだけか?」
「は?」
「お前らはいつからの関係だ?」
「関係?まぁ、幼稚園からの縁ですね。いわゆる腐れ縁みたいなもんですね!」
「乃蒼だけか?お前の友達は?」
「酷くないっすか?私にも友達いますよ!乃蒼も友達ですけど他にもいますよ!」
「けど腐れ縁と言えるのは乃蒼だけ。」
「先輩。いい加減にしてくださいよ?何が言いたいんですか?よく分かりませんよ?はっきり言ってもらえないと私理解出来ないっすよ。」
「…………じゃあ、はっきり言うよ。」
すぅ~っと息を吸い込むと香織は聞いた。
「お前ら…………………だろ?」
ハッキリとそう聞いた。
その言葉を聞いた時一瞬で雫の顔はビックリした様子に変わった。
「聞こえなかったか?ならもう1回言おうか?お前らは………」
「大丈夫っすよ。聞こえてますから。しっかり。ただビックリしただけで。」
ふぅ~っとため息をつくと雫は地べたにしゃがみこんだ。
「何で?」
「何で?」
「何で私たちの関係がそうだと思ったんですか?」
「色々あるけど。一番は女の勘。」
「アハハ!女の勘で当てられるとは多分乃蒼もビックリしてますよ。」
アハハとひとしきり笑った彼女に香織は聞く。
「お前は乃蒼とその関係で今乃蒼がするかもしれないことを理解してんのか?」
「乃蒼が企んでることでしょ?残念ながら私にはよく分からないっす。てか聞いても大丈夫の一言で。」
「……………まさか。」
香織は頭に出てきた悪い予感を打ち砕きたくて雫に聞いてみた。
「お前付き合ったことあるっていったよな?」
「あ、はい。」
「それは全部お前からふってるのか?」
「イヤ?相手からが100でしかも音信不通の人もいましたよ?」
「音信不通……………お前その付き合ったことって乃蒼に………」
「言ってませんけど。何故か知ってましたね。知らず知らずのうちに知ってたみたいな………って先輩?」
雫の言葉を聞ききる前に走り出す香織。
向かうのは…………
「晃太くん。無事でいて…………」
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