第291話 第5グループ完成

ペア、トリオが決まった。

つまり5組の組み合わせが出来た訳である。

これは完全なる運。


完全なる運………のはずだと思っていた。



第1グループ 東方向


「ね!言ったでしょ!」


「そうですね。」


意気揚々と歩くのは………


「流石です。アリス。」


「私達の絆はこんなくじ引きではきれないよね!」


恋人繋ぎをしながら暗い中も何のそのスキップしながら歩く2人。胆試しの意味がわかっているかは理解できないがまぁ楽しければいいのか………




第2グループ 西方向


「ゆ~う~く~ん!」


「……………」


「ゆ~う~く~ん!ゆ~う~く~ん!ゆ~う~く~ん!ゆ~う~く~ん!ゆ~う~く~ん!ゆ~う~く~ん!ゆ~う~く~ん!ゆ~う~く~ん!ゆ~う~く~ん!」


「うるせぇな!てめえは!」


「何よ?ただラブコールしただけじゃん?」


「ただでさえイライラしてんのにラブラブすんな!」


「くじ運が悪いじゃんか。」


「あ?」


「まぁまぁ、私たちのラブラブ見て色々想像してよ。」


「ふざけんな!アオカンでもすんのか!」


「していいかな?」


「勝手にしろ!」


「じゃあする?」


「ちょっと………助け………まず………バチ当たる…………から………」


「安心しろ。」


「え?」


「3Pはしないから。」


「違う!違う!違う!助けて!」


「饅頭も食べちゃうか………」


「ちょっと誰でもいいから!お化けでもいいから!助けて!」



第2グループはとりあえず進藤の身が心配である。



第3グループ 北方向


「……………」


「……………」


「……………」


「……………」


「お前!ついてくんな!」


「目指す場所が同じなんですから仕方ないですよね?」


「はぁ…………大体なんでてめえなんだよ?」


「私も言いたいですね。貴女とは腐れ縁のようなものがありそうです。」


「ふざけんな!この腐れ外道!」


「私が腐れ外道から貴女はただのクズですね。」


「あ?」


「ホントのことを言ったままですが?」


バチバチ火花のこのグループ。

心音と黒井。こんだけ嫌悪のオーラが出てたら寄り付くものもこないだろ。



そして残るは2グループ。

南、真ん中。


晃太 雫 乃蒼 香織。





南グループ 第3グループ


「残念でしたね~。私たち外れくじですね~!」


「……………」


「まぁチャチャっと終えて帰りましょ!せんぱ」


「お前。」


「うん?なんですか?」


「1つ聞きたいことがある。」


「聞きたいこと?なんです?」


「乃蒼との関係だよ。お前ら………



普通じゃないよな?」



第5グループ 真ん中


「……………」


「……………」


「……………」


「……………」



気まず~!!


最終グループは乃蒼と晃太。

沈黙が痛い。自分のくじ運の無さを悔い……いや逆にいいのか?




とか思っていた晃太の気持ちはすぐさま打ち砕かれることになった。

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