第289話 変化が巻き起こる肝試し。肝をホントに試される。

結局馬鹿どもの言葉は大丈夫?大丈夫?大丈夫?で終わって話にならなかったが………


「何だったんだよ………マジで……耳キンキンする………」


「高低差ありすぎて耳キンキンしちゃう?」


「冷たっ!」


首に感じる冷たさ。


「晃太くん。」


「何だ………お前かよ。」


そこには缶ジュースを持つ香織の姿が。


「ちょっと話さない?飲みながら。」


「さっきコーヒー牛乳飲んだばっかりなんだけど。」


「いいじゃん。私のはコーラだよ?」


「炭酸は異が膨らむんだよ。」


「なら振ってから渡すね。」


「意味分からんから。」


「じゃあ渡してあげるから飲んでね?」


「お前めんどくさいな………」





現在の時刻は22時30分。何だかんだで時間が経ってるな………


「へぇ………黒井さんにそんな過去が。」


「結構ビックリだろ?」


「まぁ、どんなにタトゥーがあったりしても晃太くんに危害を与える人物じゃなければ別にいいんだけどね。」


「そういう問題じゃなくないか?まぁ、お前らしいけどな。てかオレから1つ聞いてもいいか?」


「晃太くんの言うことなら何でも話すよ!何でも何でも何でも!」


「大丈夫だから!そんな変なこと聞かないから!」


「そっか………」


「何で残念そうなんだよ………」


何を聞かれたい………止めよ。変な言葉は自分の傷に塩を塗る。


「何でアイツらあんなに急いで男風呂に来たんだよ?」


「アイツらって?」


「彗に百舌鳥先輩に雫に姉さん。だよ。」


「あ~邪魔者ばっかりだね。」


「邪魔者どうこうではなく。理由を………」


「…………南 乃蒼が宣言したの。」


「へ…………」


「お前らの大切な人を奪ってやるって。私の好きな人のために。って。」


「………………アイツついに言いやがったのか………」


「知ってたの?アイツの目論見。」


「ちょっとな。まさか宣言するとは思わなかったけど。」


「……………」


「香織?」


「私。怖いんだよ。何か。」


へ。コイツの言葉から怖い?


「何か嫌な予感がするんだよ。めちゃくちゃ嫌な予感がするんだよ………」


「やめろよ………お前が嫌な予感とか言うなよ。マジで。不安になるから。」


「でも不安なんだよ………ホントに………」


「ホントにやめろっ………」




「み~ぃ………っ………けぇ………たぁ…」


「怖!」


暗い中から出てきたのは。


「乃蒼?南 乃蒼?」


「み~ぃ……っけぇたぁよ。もう全員……呼んだ………よ?はじめる………よ?」


「はじめる?何を?」


「言って……た……よね?だから………はじめるよ………肝……試し………」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る