第288話 鳥が低く翔ぶのは雨が降る予兆

先に風呂を出ていたのは

男子組。


「ごくごくごくごくごくごく、ぷはぁ~!」


上手そうに牛乳を一気飲みする忍先輩。

晃太を手に持つコーヒー牛乳を飲みながら話す。


「凄いですね。牛乳も用意してるなんて…」


「牛乳だけじゃないよぉぉぉ。コーヒーにフルーツぅぅぅ。3種類あるよぉぉぉ。」


「進藤お前………」


「なぁにぃぃぃ」


「お前………マッサージ機に乗り込みながら喋るなよ………」


「何でぇぇぇ?」


「何でもクソもあるか。マッサージ機に乗って喋ると言葉が震えるだろうが!」


「当たり前じゃあ~んぅぅぅ。強でしてるしぃぃぃ。」


「強とかそんなモノどうでもいいから!何故に強なんだよ?そんなに疲れてんのか!」


「ぐがぁぁぁ」


「寝るな!」


自由か!自由過ぎるだろ。自由過ぎる人間過ぎるだろ!…………まぁ、より自由な人間が一番近くにいないから仕方ないかもしれないけども!

そんな自由空間の中で。


「ありがとうございました。」


ペコリと頭を下げる黒井さん。


「な、何で頭を下げてるんですか?」


「皆さん私の体を見ても過去を聞いても普通に接してくださって。」


「当たり前ですよ。黒井さん。貴方とオレはアリスに助けられた同士なんですから。ひいたりしませんよ。しかもカッコいいですから。」

「ぐがぁ………あ?あ………黒井さんは悪くないですから……世の中にはもっとヤバい人いますから………」

「進藤………寝るか喋るかどっちかにしろよ………まぁ、2人とも今言いましたけどタトゥーが彫られていようがピアスが死ぬほど開いていようが黒井さんは黒井さんですし。黒井さんは優しい人ですから。過去は過去ですよ。今が今で良ければいいんですよ。だからひいたりしませんよ。」


「忍様 優様 晃太様………ありがとうございます。貴方方はとても良い男です。そりゃモテますよ。」


「モテますとかじゃないですけどね。まぁ、めちゃくちゃ疲れますけど………」




「ゆ~う~く~ん~!!」

「こーちゃん!」

「こーくん!」

「愛人様!」



「ほらね。めちゃくちゃうるさいでしょ?」



「優くん!優くん!優くん!優くん!優くん!」


「あの………体を揺らさないでぇ………マッサージしてるから………気持ち悪く………うぇ………」


「こーくん!」

「こーちゃん!」

「愛人様!」


「何だよ?全員一気に来て………ここ一応男風呂だからな?」


「来てない?」

「悪いことされてない?」

「大丈夫ですか?」


「誰が?何を?大丈夫なんだよ?」


「「「アイツ!」」」


「どいつだよ………」



「黒井。晴れやかな顔ね?」


「アリスお嬢様。お嬢様言う通り………皆さん素晴らしい人達でした。もちろん。アリスお嬢様の彼氏様の忍様も。」


「忍でいいですよ。黒井さん。」


「では。忍。私も黒井でいいですよ。」


「「これから……よろしくお願いいたします。」」


ガシッと握手をする男2人。

ほら、アレ見ろ。アレを見てもこんな問い詰めんのか!


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