第287話 長身女の爆弾発言

サバァン………サバァン………サバァン……

露天風呂のお湯が揺れている。サバァンっと

そしてその立ち上がった人物は……


「………………あ、…………私………C…」


「何?そんなチンケなカップ数を言うためだけに立ち上がった訳?」

「ノッポだからね。」

「身長にもっていかれたんだな?残念残念。」

「そんな酷いこと皆言わないの!大丈夫だよ?ほら!雫ちゃんも言ってたよ!好きな人に揉まれたら大きくなるって。ね?雫ちゃん?」

「あ~。そうっすね。けど雫に好きな人?」


「…………います…………このコテージの中に。」


「「「あ?」」」」」


その言葉に過敏に反応する奴ら。


「この」

「コテージの」

「中にいる?」

「お前……こーちゃんなら許さないからな?」


「それは………わからない………で………言えない………」


「殺すぞ?」


中指をたてる心音。だが乃蒼は怯まない。


「私が………このコテージに………来たのは………好きな人の………ため………」


「何だよ?告白でもすんのか?したら殺すからな?」

「焼いてほしい?煮てほしい?」

「私が美味しく食べてやるよ?」

「……………」


殺気満々の百舌鳥、心音、彗に対し黙って彼女を見つめる香織。


「なら………焼きがいいかな…………美味しく………食べる?」


ここで食べる方法を提案するこの乃蒼も狂っているが………


「ともかく…………私………これから……行動するから…………」


「待って。」


沈黙を続けていた香織が話す。


「何で今からするってことを私たちに宣言したわけ?勝手にしたらいいじゃない?そしたら監視の目がなくなるのに。」


「…………監視………されてる、監視………してる中で………奪われるほうが………敗北感………あるから………」


「言ってくれるじゃない?このクソノッポ。


「でも………それもあるけど………」


乃蒼は初めてと言っていいほどその能面だった顔を変えた。


「どうせ………無理だから………私の……作戦に………誰も手出し出来ないから……」


「何?」


「ふざけんな。」


「そんな作戦あるわけないだろ!」


「キャキャって………騒いで………まるで………猿みたい………」


「「「何?」」」


「でも………大丈夫………安心して………すぐ終わるし………すぐ終わらすから………」


「どういう意味だ………」


「のぼせる………あと………喋り過ぎた………疲れた………先………出る」


「コラッ!まだ話は………」


「話………私は終わった………だから出る………じゃあ………やってみてよ………守ってみてよ………貴女たちの大切な……人を………」


そういうと乃蒼は風呂を後にした。

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