第286話 馬鹿な話は男だけがするものじゃない。

「とりま」


「とりま?アリススゴい!そんな言葉覚えたの?」


「えへへ!一般的女子に変わりつつあるでしょ?にひ~!」


「とりまとりまとりま」


そんな言うものではない。


「とりまー」


職業?


「一番大きいぞー!って肩書き挙手……ってスゴい。すぐ挙げましたね?心音さん。」


ピンっと背筋も伸ばしながら挙手する心音。


「いや、見りゃ分かるでしょ。一番デカイのは私でしょ?」


持ち上げるな持ち上げるな。餅じゃないからな?


「Jカップだから。アンタらとは格が違うから」


「お言葉ですがお姉さま。私Hなんですよ。」


「だから何?」


香織が煽るように対抗する。


「1カップ上なだけでそんな馬鹿にされる筋合いはないですよ。」



「でも上であることに間違いはないわよね?」


「上であることに間違いはなくともこんな逸話がありますよ。」


話にまた割り込む女。今度は彗だ。


「確かに男は大きい胸が好きです。挟めたり揉んだりするから大きいほうが好きなんです。ですがあるテレビでグラビアアイドルが言ってました。巨乳の中でもFは最弱、そして一番いいのはGカップだって。Gカップと言えば大きいってなるしさらに男もG?ってなるって。だからサイズがGより大きくても無理矢理Gにしている人が多いと。」


「だから何?」


「見てりゃ分かるでしょ。篠崎○しかり岸明日○しかりGと公表しててもそれより大きいイメージがあるじゃないですか。だからGが最強。Gが一番。」


「あのね。男は大きいのが好きですって言ってたよね?星名美津○しかりHカップってしっかり公表したほうがより興奮度があがるんだよ。だからHが最強。」


「つまるところ結局男は最終的にグラビアでは満足できなくなるんだよ。だからAVがある。AVを見てりゃ分かる。Jとかいっぱいいるつまりは男はデカイほうが好きなんだよ。だからJに軍配。」


睨み合う3人。

そして…………


「Fは最弱なんだ…………う~ん。悲しい………」


「アリス先輩!落ち込まないで!胸を大きくする方法がありますよ!好きな人にひたすら揉んでもらうんです!そしたらでかくなります!」


「ホントに!?」


「ホントにです!だから私Eなんですけどこーくんに揉んでもらうんです!いっぱいいっぱい」


「黙れ阿婆擦れ」

「黙れチビ」

「黙れクソ女」


「うわ~凄い罵倒!そんな罵倒しなくても………」


ニコニコ笑顔であははと受け流す雫。流石なのか、なんなのか………

全員が馬鹿な話で会話がヒートアップする中………サバァン。


風呂につかっていた彼女が立ち上がる。

サバァンサバァンと波が揺れた。それがこの後の言葉の威力を物語るように。

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