第281話 やりたいことはすぐに行動すべき。
黒井がやりたいこと。それをすべて頭に浮かべた。まず出てきたのは高級なモノを食いたいだった。高級なモノ、と言えば肉。そう思い立ちよった焼肉屋で死ぬほど肉を食い散らかした。値段は気にせず食い散らかした。
値段を見た時はビビったが。
次にやりたいことは髪を染める、ということ。ピアス、タトゥーはしたが頭だけはいじってこなかった。だから。でも何色にするか、金髪か、でもありきたりすぎる。じゃあ好きな赤、赤なら血がついても大丈夫、ってそんな理由はよくないか。
悩みに悩んだ結果。
「ありがとーございましたー」
ガラス越しに見る黒井の髪は綺麗に金髪、赤髪、金髪、赤髪と交互になっていた。
「これで…………いいか………まぁ。」
次はホストをすること。
都会に出てきてやりたい仕事、それがホストだった。自慢じゃないが顔は人よりイケテルと自負していた。だからこそ顔を活かせるこの仕事をしたかった。まぁ、普通に仕事は受かった。それにこの仕事をした理由は1つ大きなモノがあるけど。
そのやりたいこと。それは
女を抱くこと。
産まれてからずっと使ったことない息子を使わしたかった。
そして初めての女は胸のデカイ顔はまぁまぁの女だった。自然な流れでデートに誘い自然な流れでホテルに入った。
全くドキドキしなかったがとりあえず初めてにしてはまぁまぁ上手くできた、そう自負していた。
そんな風に初めてを体験した黒井はホストを続けながら女を手で転がし何度も何度も何度も何度も何度もホテルに連れて行きずっとセックスを繰り返していた。繰り返し様々な女と性行をした。うるさいヤツマグロなヤツ甘えるヤツ色々なヤツがいたが鬱陶しいヤツも多々いたがしょうがない。だって自分が狙った女で自分で釣ったのだから仕方ない。最後までヤりとおす、最後まで食うこと。それがせめてものの償いかと思ったから。
そしてそんな生活を続け11年。
29歳の冬。残る人生あと1年となったこの年。ホストももうすぐ廃業とかすそんな時事件が起きた。
「あ、すいません。」
男の集団にぶつかった黒井。ぶつかっただけだからすぐに行こうとしたが…………
「お~い。待てよ。黒井くん?」
「あ?」
何で俺の名前?
「名前知ってるのが怖いか?いや忘れたか俺らの顔?そうだよ。お前を中学の時いじめてた伊藤軍団だよ!」
伊藤 半(いとう なか)
中学の時いじめてきたヤツの名前。
そいつをもう一度聞くとは。
「お前のせいで俺らはいじめてたことがバレて逆にいじめの対象になったんだよ!テメェのせいで人生踏んだり蹴ったりだよ!死んで償え!くそが!」
ナイフを取り出しこちらに突き立ててくる伊藤たち。
「死んで償え?もう死ぬからあとちょっと待ってればよかったのにな!」
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