第273話 謎が謎を呼び嵐は嵐を呼ぶ

「………で、何?」


「え?何とは?」


「リレー…………」


「え?」


「形式。アナタが聞いて………私が答えて………次………私が………聞いて………アナタが答えて…………」


「あ、そういうことね?あー理解。理解。」


言葉足らないんだよな。この子。


「じゃあ………アナタ。」


「アナタじゃなくて晃太でもいいけど……」


「アナタ…………」


「あ、すいません………」


圧強いわ…………


「じゃあ質問ね。質問、質問かぁ………あ、じゃ、じゃあ乃蒼さん身長高いし身長何センチか聞こうかな?俺負けてたらどうしよ」


「170」


「わぁ………淡々と答えるんだね………」


タメとか嫌だとか無いんだ………いいけどさ。


「じゃあ次は乃蒼さんの」


「170 胸はCカップ………お尻は………」


「そこまで聞いてないから!」


「全部………答えないと………満足しないんでしょ…………?」


「誰情報?」


「雫………」


「ガセです。ガセ。これからは気をつけてください…………」


あの馬鹿。何教えてんだよ。


「じゃあ…………私…………」


「あ、無理矢理聞かなくてもいいから。男あんま好きじゃな」


「好きな………」


「聞いてる?」


晃太の言葉右から左に逃げてない?


「好きな…………タイプ。」


「へ?」


「好きな………タイプ…………」


「好きなタイプ?それって何の?」


「人間…………」


「人間って………」


「女………の………タイプ。」


「え、え~…………」


好きなタイプ?てか何で乃蒼さんがそれを晃太に?まさか乃蒼さんの好きな人って………

いやいやナイナイ。………ナイナイとか思うとあるんだよな………とりあえず………


「好きなタイプ?難しいな………優しい子とか?」


「顔は………?」


「顔?顔は………ある程度整ってたらいいかな………」


「微妙…………」


「へ?」


「まぁいい………とりあえず………あんまりないのは………分かった………」


「え?え?」


納得したの?今ので納得?いいのかそれで。


「じゃあ………次………アンタ………」


「……………」


掴めない。全く掴めない。コイツ全く掴めない………どうしよう…………

…………よし。ここは引いても無駄だ。しっかりとした疑問をぶつけよう。


「あの。」


「あ…………」


「乃蒼さんって雫と仲良いからこの林間学校のこのグループに参加したんだよね?」


「そう…………」


「ホントにそれだけ?ホントにそれだけのためにこのコテージに来た?」


「……………」


本質をつく。


「何か企んでない?俺にはそう思えるんだけ」


「企んでる…………」


スパッと言った。


「言うんだ。」


「バレるし………もうすぐ………」


「もうすぐ?どういうこ」


「皆~!料理出来たよ~!」


元気に叫ぶ香織。コテージに響き渡る。


「料理出来た…………終わり………」


「ちょっと待って!バレるって………」


「私は…………好きな人のため………ここにきた………それだけ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る