第271話 姉の前にも天敵。水タイプには10万ボルト
「とりあえず。夜の予定は決まったし。皆!ご飯の用意しよ!」
「そんなお嬢様。そんなモノは私とこの心音がやりますのに。」
「待て!何で勝手にやることになってるんだよ!」
「当たり前でしょう。貴女は来てはいけない身。しかも大人であり看護師ではありませんか?するのが当然でしょ?」
「ふざけんじゃないわよ!こーちゃんにつくるだけならまだしも他のヤツのためにつくるなんてめんどくさ………痛痛痛痛!!」
黒井さんが心音の手の皮を引っ張る。
「やりますよね?」
「や、やりま………痛痛痛痛痛!分かったから!やるから!やるから!つめるのやめて!やめなさい!」
「やめてください、です。」
「ち、チッ………や、やめてください」
「舌打ちが余計です。」
「痛痛痛痛痛!」
「ワンモア。」
「やめてください!やりますから!料理しますから!」
「………よろしい。」
凄い………黒井さん………あの心音姉さんを完全にクリアしてる。掌握してる。こんな人初めてだ。てか心音姉さん………謝るとか出来たんだ………
「ということで料理は私とこの心音がやりますので」
「あと!さっきから!心音、心音ってうるさいのよ!」
「だって心音でしょ?」
「何でアンタに言われなくちゃいけないのよ!気持ち悪い!」
「じゃあ変えましょうか?無礼者とか不審者とか、犯罪者とかに。」
「ふざけん」
「ふざけてませんよね?貴女は勝手にここを調べ勝手にここに入り勝手にこの林間学校に来ている。その時点で変なのは分かりますよね?大人だから。わからないならただの馬鹿ですよ。貴女は。」
「ば……」
「さっきも散々言いましたが貴女はお嬢様のありがたいお言葉でここにいられるんですよ?そこをしっかり理解してください。しっかり理解したら早く手を動かしてください。時間だけが過ぎますよ?時間は有限なんですから。」
「……………」
「早く。手を動かす。」
「……………チッ」
舌打ち一発とともに活動再開する心音。
彼女にもダメな人間いたんだ。
心音が水なら黒井さんは雷かな?
10万ボルトで終わりだな。
「ですので皆さんはくつろいで……」
「「「「私たちもやる!」」」」
「あ、はい?」
何重に重なっただろう。その声は。
「私も優くんに愛情たっぷりのヤツつくる!」
「私は愛人様に得意料理を。」
「こーくん私の料理食べてみたいよね?」
「私も作ろうかな?」
「では私もお手伝いします。」
「ということで私も料理するから晃太くんたちは待っててね?テレビとかスマホいじっといて!」
そういって料理場に去る女メンツ。
残されたのは
晃太 進藤 乃蒼。
あー………どうしよう。この空間。
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