第267話 赤ちゃん欲しいって言うのは簡単 言葉は軽いが行動は重い
「……………」
「……………」
「……………」
「……………」
「……………」
あー、気まずい。あー、気まずいな。この空間。場所は変わらず晃太の部屋。いるのは香織と晃太………のみ。彗はというと…………
「ともかく愛人やめてほしければまず赤ちゃん出来てるかチェックしてこい。じゃねーとはじまんねーからな?」
そう汚い言葉を吐いて帰っていった。
あのバカ、爆弾投下してから行くなよ。
彗が帰ってからかれこれ10分程度いや、10分以上。香織は言葉を吐かずただ固まったままだった。
何を考えているのか。どうせ余計なことではないのは確かだ。だから嫌なんだよ。彗の言葉は彗に返ってくるんじゃなくて晃太に毒と刃の特大2倍サービスで返ってくるから。
人柱と同じだから。やめて?やめてくれませんかね?普通に。
で早く香織も喋って
「赤ちゃん」
「うへい!」
急すぎる言葉にワケわからない言葉が飛び出す。ウヘイとはなんだ。
「晃太くんは赤ちゃん欲しいよね。知ってる。」
「おい。刷り込みやめろ。答えさせろ。」
知ってる。じゃないし。知らないだろうが。
「だって子供好きじゃん?」
「それとはイコールにはならないだろ?」
「イコールになると思うけど。
底辺×高さ÷LOVEだと思うけど。」
「意味分からん。意味分からん。何の方程式?」
「愛の。」
聞いた自分が馬鹿だったと改めて思う晃太。
「とりあえず赤ちゃん赤ちゃん赤ちゃん言うけど赤ちゃん産むのも育てるのも大変だからな?」
まずそこ。赤ちゃん、いや。子供を育てるということがどれだけ大変か。まず現在日本は少子化だ。その原因は非婚が多いから、というのもあるが景気、金の問題もある。
子供を成人にするまでには最低でも2000万はかかると言われている。これは1人の値段だ。言い方はとても悪いが子供を産むということは同時に2000万が課金されたということ。だから金のない人は子供を作りづらい時代になっている。そこで産まないという選択をした人たちはとても頭がいい人たち。だが中には最低な馬鹿どももいる。
たった一回の快楽のためにゴムをつけずにヤッてつくって怖くなって、捨てる。
そんなクズもいる。晃太はそんなクズにはなりたくない。だから。
「赤ちゃんつくる、赤ちゃん欲しいって言うのは勝手だけどちゃんと行動と状況が整ってからやらないと何の意味も」
「行動ならしてるよ。」
「は?」
「ついでに状況も整ってる。」
「あ?どういうこと?」
「心配しなくとも赤ちゃんを育てる準備なら整ってるってこと。分かる?」
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