第262話 人はあまりにヤバいモノを見た時声が出なくなる。それが普通。
「よし。決まった!OK!今日の夜が楽しみだね?ね?」
「………ねって………」
「ね?」
「……………」
「ね?ね?」
「……………」
「ね?ね?ね?」
「ねぇ~~~~~」
もうヤケである。ヤケ、焼け石に水、マグマに天然水である。………最後の例えは焼け石に水で良かったのでは?と思ったけど。
あ~、社会の輪廻である。先延ばしにした予定はいずれ莫大なデカさ莫大な力を持って自分に返ってくる。まぁ、言えば投げたブーメランが自分の手元に返ってくる前に毒とギザギザの刃をつけて、いや備えて返ってくる感じである。まぁ、とりあえず1つ言えるのはやらないといけないことは結局やるんだから後回しにせずに先にやってしまえ、ということ。夏休みの宿題は出来るだけ早く終わらせろ理論といっしょである。おかしいな………晃太馬鹿よりの普通だけど夏休みの宿題は出来るだけ早く終わらせてるタイプなんだけどな………何でこうなるかな?
「そういえば愛梨は?」
「愛梨………あ、百舌鳥先輩か……」
自分のことで手一杯で他人のこととか考える暇なかったわ。
「進藤もいない。死んだ?」
「何でお前はそんなに進藤の生死を甘くみる訳?」
「精子は甘くないよ?しょっぱいよ?」
「あ~ダメだ。馬鹿には通じね~」
「あ、精子と言っても晃太くんの精子だけだから、私が口にするのは!」
「知らん知らん知らん。そして嬉しくない嬉しくない嬉しくない。」
やったー!ありがとう!とでもなると思ったのだろうか?なら的外れもいいとこだよ。鳩サブレでも食べててください。
ガタガタン!
「何?」
「あ、何かあっちから音聞こえない?」
「音?まぁ………確かに聞こえるな………何だ?」
聞こえる場所は…………
「風呂場?」
「お風呂場?まさか愛梨!」
「まさか何だよ?」
「え、お風呂場 2人 カップルで検索して出てこない?」
「残念ながら出ないわ。」
「私の頭の中のインターネットはすぐ交信されたけど!」
「そのインターネットの世界背景ピンクだろ?」
イヤらしい単語ばかりが引っ掛かりそう。このコンプラの厳しい時代に自らコンプラを壊しにいくんじゃないよ。コンプラは守るもんだから。コンプラは守るためにあるんだよ。
「ほら!見たら分かるって!」
「お風呂場に押し込もうとするな………」
「ほら!見て!」
「見てって何が………」
満面の笑みの香織が見つめる先には………
「よちよちいいこでちゅね~。ゆうちゃん?おっぱいおいちいでちゅかぁ~?」
「…………うっ………あっ」
「おいしいでちゅか?」
「………………」
「おいしいでちゅか?」
「………………」
「おいしいよね?」
「あ、お、お、おいしいです………」
「あれ?あかちゃんなのにでちゅいわないんだー。へんなの~。」
「……………」
「もっかいきこ~。おっぱいおいしいでちゅか?」
「お、お、おっぱい…おいしい……でちゅ………」
「よしよし!いいこでちゅね~!」
「………………香織。」
「うん?」
「帰るぞ。」
「え?」
「理由は聞くな。少しだけ理由を言うなら心が壊れそうになった。」
友のその姿は衝撃で呆然とするモノだった。
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