第254話 大体目覚めて人が前にいる時点で恐怖映像

「あのさ。」


「何?」


「これは何の時間?」


廊下にうずくまり2人してヤンキー座りをする。


「何かさ。」


「ん?」


「授業でイチャイチャし過ぎて怒られて廊下に立たされてるカップルのシチュエーションみたいで萌えるよね!」


「萌えないけど………」


何その特殊なシチュエーション。難しいシチュエーションだな。


「てか立ってないし。」


「あっ、そっかタッテるのは進藤のほうか!」


「……………」


そうなのだ。今目の前の扉の中では百舌鳥先輩が進藤をいじめてる。いや、いじめてる?うん………ある意味………性的に。いじめてる。


「でもさ~部屋に入った瞬間イカ臭かったらヤダね。進藤のイカ臭いは苦でしかないから。」


「全員苦だよ。」


「晃太くんのイカ臭いは苦じゃないよ!」


「苦であれよ。」


「イカ臭いとかじゃないから!それは確実にフローラルな香りがするんだから!」


「イカはどう頑張ってもフローラルにはならないんだよ。」


「晃太くんはなるんだよ!フローラルに。分かる?分かるでしょ?」


「……………。あー、もう良いわ。あんまり言うと自分まで気持ち悪くなってくるから。」


イカ臭いとかイカ臭くないとかフローラルとかフローラルじゃないとか。そんな判断今はいいや。やめよう。自分のそういうの考えたら終わりな気がするから。


「そっか。じゃあ話変えようか!

進藤まだ萎えてないんだね。意外と早漏じゃないのかな?遅漏?」


「話変わってないけど?」


下の話から他の人の下の話にサイドチェンジしただけなんですけど?


「現在5分経過。まだ気絶してるとかあり得る?」


「知らねーよ。」


「友達なら分かるでしょ?友達のそういうのも。」


「いや、阿吽の呼吸でも無ければ俺たち双子な訳ないし。だから分からないのよ。」


「え、ついてるものは同じなのに?」


「同じでも人それぞれだろ。」


「十人十色か。」


「そんな綺麗なもの……」


そんな綺麗なものか?

そう言い切りたかったが扉の向こうである異変が……


「ちょ、百舌鳥先輩!?」


「あ、進藤起きた。死んでなかったんだ。」


「勝手に殺すな。てか殺してたのはお前だろ。」


水攻め 火攻め 垂直落下 色んな殺害方法を編み出したのは香織だろうが。


「やめてくださ、え、てか何でパンツ脱がされて………ちょ、掴まないで。」


「つーかまえた。」


「や、やめましょう?してもいいことないから………」


「リラックスして私に任せて。気持ち良くさせてあげるから………」


「ちょっと待って!マジで待って!何で手首絞められて……ちょ、ちょ、ちょっと待って!ちょっと待って!」


「リラックスしようね?優赤ちゃん?」


「イヤァァァァァァ……………」


そこから数分間断末魔のような声が耳を切り裂いた。


「進藤のアレ終わったら入ろ?」


「そんな勇気俺に無いんだけど。」


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