第253話 心のダメージ修復不可能ライン

「とりあえずどうする?」


「どうしようか?」


女子2人の見つめる先には………

気絶している我が友、進藤の姿。

部屋に入ってきてその後すぐにベッドに思いっきりダイブさせた百舌鳥先輩。

いや、限界近かったのは分かるよ?けど、一応彼氏の大事な体ですけど?骨とか折れたらどうすんの?まぁ………2階から飛び降りた時点で骨やられてる可能性大だが。


「どうしようか?」


「どうしよう?」


「あの………お二人さん?進藤を見つめて何してるんすか?」


「「え?どうやって目を覚まさせようかって考えてた。」」


「あ、自然治癒を待つとかないんすね……」


「当たり前でしょ。逃げたのは進藤なんだから。自業自得だし。」


「それに私は早く進展させたいし!優くんとの仲を!あと」


「あと?」


「何で逃げたのかも聞きたいし。」


にんまり笑う百舌鳥先輩。

う~ん………そこは聞かないであげてほしいかな?


「んでじゃあどう起こす?」


「どう起こそうか?」


「私の案言ってもいい?」


「いいよぉ」


「まず、水攻め。お風呂に水はってそこに顔をつけて押さえつけて起こす。」


「殺す気か。」


「あと、火攻め。これもお風呂をはるんだけどここのお風呂50℃までいけるみたいだからそこに進藤を投げ捨てて」


「殺す気か。」


「あ、じゃあいっそのこともう一度2階から落としてみるとか」


「殺す気か!お前の案全部死が頭にちらつくモノばっかりだろ!」


「当たり前でしょ!」


「え、何で怒られた?」


至極全うな意見だと思うのだが………


「彼女の来訪に窓から逃走する彼氏にはちょっとした、いやかなりの罰を与えないといけないよ!」


「にしても全部後々後遺症残りそうだから!」


香織の案は全て死がちらついてて怖いから。


「もう少しマイルドに」


「え~もう少し三浦に?」


「R1はいいから。」


あ、ピンクさんおめでとうございます。


「そうだよ。香織。優くんに少しの罰が必要なのは理解してるよ?私も。けど後遺症残ったら流石に嫌だし………」


「そっかぁ」


当たり前だろ。後遺症残ってもいいよ!っていう彼女嫌だわ。


「だから私は考えた!」


「何?こちょこちょとか?」


「それも効くんだけど、ちがくてこれ。」


百舌鳥先輩は手を上に下に上げたり下げたりする。つまり上下する。その勢いは段々激しくなり………

………いや、まさかな。まさか、アレでは。

晃太は出てきた邪念を振り払う。違う違う。アレは違う。アレは違うよ……


「シコシコ」


「…………」


「シコシコシコシコ」


「…………」


「シコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコ………」


「…………」


悪い予感的中。ってうわ!


「何?香織?」


「ここからは2人の空間だよ。私たちは廊下で待ってよ。」


「ちょっと待って!マジでやるんすか?」


「終わったら呼んでね!」


「うん!なるべく早く終わらす。」


「うん。早漏野郎って呼ぶから。進藤に。行くよ。晃太くん。」


「ちょ、待て!香織……百舌鳥先輩も……」


ちょっと待てよ!どの道辿っても進藤の心のダメージ大きいままじゃん!


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