第245話 彼女には彼女のやり方がある。ただそれが人とちょっとずれてるだけ。
「あ、やっぱり晃太くんのところにも全種類ジュースセットあるんだ。」
「香織のところもあんのか?」
「あったよー。コーヒーなんてブラックから微糖、カフェオレまで揃ってたよ!」
「あ、マジだ。マジで揃ってる。」
「まぁ、ちょっと不満もあるんだけどね?」
「何が不満なんだよ?」
「アルコールがない!」
「当たり前だろ………」
「アルコールがあれば!晃太くんを操れる、いや。晃太くんに操られることが出来たのに………」
「オレらは高校生。酒NG」
「ノンアルコールは?」
「結局ノンじゃん。アルコールないじゃん。」
「シャンメリーは?」
「あれはクリスマスによく出てた何かよく分からない甘い酒みたいなやつ。合法だよ。合法。」
「合法的なトビカタ?」
「とばないし。」
非合法なトビカタはもう手にカシャで逮捕でしょ。
「とりあえずアルコールはないから。」
「えー。まぁ、また偶々に偶然にかけよう。神様。晃太くんの口にアルコールが入りますように。」
ガラッ。
「入りますようにぃぃぃぃぃ!」
ガラッ。
「よし。神頼み終了!」
「お前最後のは神頼みじゃなくてただのやまびこだぞ?」
「山の神にも頼んだんだよ!空の神と山の神両方の神様にとりつかれたら御利益あるでしょ!」
「……………」
晃太は今まであったことこれまであったことそして大好きなキャラの言葉によって。
神は信じない、と決めている。
だが…………香織が祈るとその感情がぶれるんだよな………だってほぼ100で香織の言葉は叶ってるし。嫌な予感がするのは毎度のことながらずっとずっとずっーと一緒だ。
「てかお前はそんな御託を言いにここまで来たわけ?」
「御託?」
「そんなアルコールがどうこう言ってる間に姉さんとか来たらどうするの?」
「2人でクローゼットに入ろうか!」
「懐かしいな。そんな事件もありましたね?」
てかあの人小さいから入れただけでは?
「まぁ冗談はさておき。」
「ずっと冗談言ってるぞ?」
「まずお姉さんが来ることはありません。」
「は?」
「というか来たら分かります。分かるようにしました!」
「何言ってるんだよ?」
「黒井さんがさー」
「あ?」
「めちゃくちゃ正論で論破してたじゃん?」
「あぁ」
「その時にお姉さんの足の裏に小さいGPS仕込んだんだ!」
「………………」
「これで場所はすぐに分かるしすぐに来たら逃げれる訳よ?私あったまいっい~!」
「……………」
「これで心置きなく作戦会議が出来るね!」
「……………」
「ね!晃太くん!」
「……………」
お前は見た目は子供 頭脳は大人の名探偵か。そんなバンバンGPS誰がつくってんだよ?
もし自分ならもっと他に生かせよ。能力。無駄遣いすぎるって。
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