第244話 いろいろバグってるとそれが全て正常に見えてきちゃう。

コテージのワンルームはいい意味でバグっていた。いや、マジか………

まず雄大な自然が一望できてロケーションは最高。2階だけど充分見渡せる。

そしてテレビ。デカっ。こんなシテマサイズのテレビ、テレビの中でした見たことない…

デカ過ぎて逆に圧迫感あって怖いんですけど………

そしてそして………ドでかいベッド。

人3人は一緒に寝れるぞ。何?逆に寝にくくない?寝れなくない?広いからさぁ………

うわぁ。布団、羽毛だ。高いヤツだ。

あ、枕もめちゃ高いとこのヤツ………

で、フワフワ過ぎない?ベッド、弾力。跳ねれるのでは?………それは言いすぎか………

まぁ、他にも冷蔵庫の中にほぼ全種類のジュースがあることやトイレがピッカピッカなこと、お風呂が旅館?って思うくらいデカイこと………あげればあげるほどあるからもう一旦やめよ。凄すぎるわ。流石別荘。いや、流石生徒会長。いや、流石アリスさん。いや、回り回って………流石校長、になるのか。校長。元気でやってますか~。貴方のおかげでいい場所泊まれてます。帰ってきます………あ、それは無理か………冬眠してるから無理か。


「まぁ………ふぅ………」


荷物をおろし身体をベッドにあずける。

ボヨンボヨン………


……………マジで跳ねた。

いや、ダメじゃね?跳ねたら。水風船の上で寝てるのと一緒では?こんなベッド逆にダメでは?ダメでは………ないのかなぁ………

もう良く分からない。とりあえずボヨンボヨンしてるけど寝れなくはない。てか寝そう。意外と気持ちいい。いや、最高。いや、極上。スゲェベッドだ。ヤバッ。バカにしてたしおかしいだろ、って突っ込んでたけど。全て撤廃します。はい。凄いベッドです。はい。寝れます。もう後数秒で寝れます。3、2、1………


トントン。


寝そう、いや寝れそうだった時にドアをノックする音が。誰だ?もう誰でも怖くないしもう誰でもびっくりしないな………


「は~い………」


ドアを開けた先にいたのは。


「は~い!彼女。彼女。彼女。彼女。彼女の沢 香織ですけど、なにか?」


「いや、何も言ってないけど………」


てか彼女、の圧。彼女自身の圧ではなく彼女という言葉の圧が強い。怯むわ………


「何?」


「何?」


「え、何?」


「え、何?」


「いや、オウム返しやめてよ。え、何?何しにきたの?」


「え、彼女が彼氏の部屋に行くのに理由なんてあるの?」


「理由は………知らんけど。もしも姉さんにバレたりしたら………」


「あ、その辺は大丈夫。」


「は?」


「ま、そこら辺も説明するから。とりあえず入らせて。男の部屋。男の部屋に。」


「言い方がいちいち嫌なんだよなぁ………」


ニコニコ笑顔の彼女をどうぞ、と部屋にいれバタンっと扉を閉めた。

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