第242話 天をも割くにらみ合い
香織が口を開く。
「沢 香織。好きなモノはピザとお刺身。晃太くんとはお姉さんも知っての通り幼馴染みをしてます。」
幼馴染みってするものなのか?そこも怪しいけど………
「………。」
「以上か?」
「以上ですよ。他に何か?」
心音の威圧に真っ向から立ち向かう香織。
雲が見えるなら雲が2つに大きく割れているみたいな感じ。
某海賊王になろう漫画で赤い髪と白いヒゲの人が剣を交じらせた時にそんな映像がながれていた気がするよ。
それくらいヤバい。威圧感がこっちまで飛んでくる。やめてほしいが。
「ふ~ん。分かった。」
「分かってもらえて嬉しいです。」
ペコリと頭を下げる香織。香織も頭とか下げれたんだ………ちょっと感動………進化したね………マジでほんの少しの進化だけど。
てか恋人って言わなかった。
恋人って言うのはもう少し後なのか?ムードや何か策があるのか?
「では次の方。」
黒井さんの言葉で香織の自己紹介は切られ、次の人に………
「南………乃蒼………。一年………。なんでも………食う。」
なんちゅう自己紹介だよ。好きなものくらい言えよ。なんでも食うって。コオロギとかでも食えんのかよ。とツッコミたい気持ちを抑える。何故か。まだコイツには謎が多いから下手にツッコミを入れて変になるよりマシだ。
「最後は。」
「主役だよね!」
黙れよ………一旦。姉さんよぉ。
喋りにくいから。喋りにくくなりすぎる前に喋ろう。喋ろう。
「社 晃太、高校2年です。」
「もうすぐ誕生日だから結婚も出来るよね?」
「林間学校は皆で仲良く」
「特に心音さんと仲良く!イチャイチャと!」
「過ごしていきたいと思います。」
「セックスしていきたいと思います!?」
「好きな食べ物は」
「ハンバーグに寿司、チョコにチーズ……」
「あの、途中合間に合いの手いれないでもらえます?」
「え?私?」
「アンタしかいないよね?てかないこと喋らないで?」
「ないこと?」
「心音のためとか、セックスとか、イチャイチャとか。」
「そう聞こえたから。」
「病院行きの赤紙を渡そうか?」
「こーちゃんが主治医の病院なら喜んで行くよ?」
「そこまで賢くない。」
「賢いよ!賢い!」
「そりゃ勝手に人ん家に入る姉よりは賢いよ。」
そこに負けたら終わりよ。全てが。
「あと」
「何?」
「オレの好きな食べ物全部先走るのやめて?」
「ホントのことじゃん?」
「ホントだけどさ………」
「てかやっぱり思うけど………こーちゃんってお子さま舌だよね?」
「黙れよ。」
薄々気づいたことを掘り返すな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます