第240話 魑魅魍魎猛獣珍獣ハウス
「とりあえずこれで全員が揃いましたね!これからが林間学校の始まりですね!」
黒井さんは嬉しそうに話す。
「というか黒井さんはどうするんですか?」
「え?私ですか?私は皆様がリラックス出来るようすぐさまリムジンで帰らせて頂き皆さんだけで過ごしていただくように………」
「え、黒井さん。それは悪いですよ。」
「はい?悪いとは?晃太様どういうことですか?」
「いや………まぁ。もう言い方とか考えずに言わせていただくと………この魑魅魍魎猛獣珍獣ばっかりな面子をここまで連れてきていただいたのにすぐさま帰ってもらうのは忍びないというか………」
「魑魅魍魎?」
「猛獣?」
「珍獣?」
はてなマークをつけてその魑魅魍魎猛獣珍獣達が話す。何え?みたいな顔してんだよ。お前らはそうだろ。
「ともかく………ここで黒井さんを追い返すのは申し訳ないので………」
「で?」
「もし良ければ黒井さんも林間学校に参加しませんか?」
「私もですか?」
「黒井さんがいれば大人がいるって安心感が生まれますし。」
「アレレェ?おかしいぞぉ~?私も大人なはずなのにぃ~?20超えてるのに大人なはずなのになぁ~?」
某小さくなった名探偵みたいな言葉を吐く姉。いや、お前は大人って呼べないだろ。
頭は小学生、見た目は大人。某小さくなった名探偵の反対の役立たずだろ。
「だから黒井さんが良ければいてくれませんか?」
「晃太さん………」
「はい?」
「なんて優しい…………私めにも優しく手を伸ばしてくれるなんて………」
「いや………普通のことで………」
「そりゃモテます。そりゃ何人にもモテますよ………こ、晃太様?」
「あ、あの………そこら辺はノータッチで頼みます。ホントに………」
周りの糸がピーンとなった感じがした。
特に姉は………
「何人………モテます?」
ヤバい。変な知識をつけた。魑魅魍魎にいらない知識をつけた………
「とりあえず!林間学校は黒井さんも入ってください!それの方が安心しますから!」
「晃太様………ありがとうございます。お嬢様も私が入ってもいいですか?」
「晃太くんがいってるんだからいいよ。久々に羽を伸ばしたら?」
「ありがたき幸せ。では………私も林間学校に参加します。ですがあまりガッツリと参加はしません。皆さんの困った時の助け役としています。よろしくお願いします。」
ペコリと頭を下げる黒井さん。
この魑魅魍魎猛獣珍獣ハウスに少しのマトモな人間が誕生した瞬間だった。
晃太の選択はこの黒井さんを残した、
この瞬間から全て全ての運命が変わっていたのだ。
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