第233話 謎を呼ぶ行動
「オレぇ?」
指さされた晃太は驚嘆の声をあげる。
もちろん周りの女子も
「愛人様?」
「え、乃蒼………マジ?」
「……………」
何にも喋らない香織は怖い。めちゃ怖いけど、それ以上に雫、自分の友達が自分の好きな人、ぶっちゃけるなら狙う、狙いまくってるターゲットだったヤツをこれに選んだことによってめちゃくちゃやりづらい立場にいるのは分かってる。だからこそあの阿鼻叫喚の顔………まぁちょっとしすぎだけど、そんな顔になるのは分かる。分かるよ。
「はい。持て…………」
1本のポッキーを乃蒼から渡される晃太。
「口。入れろ。」
指示が命令形だし、まずお前って呼ばれてるしこんなヤツとしたいか?したくないだろ?絶対に。晃太はしたくない。まぁしないといけないですが。
「口入れたぞ。」
「………じゃあ行く。お前もこい。」
「あ、はい………」
「では、ポッキーゲーム………スタート。」
香織の声で始まったポッキーゲーム。
だが乃蒼は進まない。進まない。ただただ近くなった晃太の顔を見つめる。じ~っと見つめる。じ~っと見つめる。見つめるだけで何も進まない。晃太がここでスタートするのも何か変……変じゃないんだけど………まぁスタートしにくい………周りの目もあるし……非常にやりづら……
ポキポキ。
なんて考えてたらポッキーを食べる音が。少し乃蒼が食べた。なら晃太もそれくらい食べて………ってまた?またフリーズ?またフリーズしたんだけど?何で?意味わからないよ。行動の。
そんな乃蒼の不思議な行動は何回もストップして行われた。車で例えるなら短い道を何回もストップして右左確認しまくるみたいな感じ。もし後ろにケツに何か待ってるやつがいるならめちゃくちゃ迷惑だ。
そんな感じで進んだ乃蒼と晃太のポッキーももう残り僅か。え、まさか………あの唇と唇がもうギリギリなんですけど………マジで?あと1押しで唇ダイブだけど。え?まさかしないよな?しないよな?しないでよ?頼むから。
じ~っと見つめる乃蒼。
もう充分過ぎるくらい見た乃蒼は………
パっ。っと唇からポッキーを離す。そして水をがぶ飲みする。それはイッキ飲みで一気に1本丸々を無くならせた。
残されたポッキーを食べて………食べ終えた晃太は………そんな乃蒼の姿を見る。
1本丸々飲むくらいイヤだったのか?それとも緊張とかしたのか?いや、緊張とかないだろ。だから………
「任務完了………データ確認………」
ボソッとそんな言葉を吐く乃蒼。
任務、完了、データ、確認????
え、マジで意味分からないんだけどこの人。
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