第227話 ゲームするためのゲームをするゲーム機
「あ、そう言えばアリス?」
「うん?どしたの?香織?」
「このリムジンの中っておもちゃとかある?」
「おもちゃ?あるにはあるけど………あんまり種類はないかな?私自体がおもちゃに疎いから……………」
「オッケー!じゃあ今から私が買ってきたモノでゲームしようよ!皆!」
「おー!」
「楽しそう!」
「何?」
「何するんです?先輩?」
「……………」
女子軍が主に盛り上がる中………フッフッフ~っと香織が取り出したのは………
「何?」
「上の電気が光って見えない……」
「うん?箱?」
「あ、それ………」
「ポッキー?」
「そう!ポッキー!ポッキーでゲームしましょ!ポッキーでゲーム!つまりポッキーゲーム!!」
「ポッキーゲーム?」
首をかしげるアリス先輩。それ以外はお~っといった様子。どうゆう表情?それ?
「知らないアリスちゃんに教えてあげよう!ポッキーゲームとはある種度胸試しのゲームなんだ!」
「度胸試し?」
「相手と何処まで唇を近づけられるか、それを頑張るゲームなんだよ!」
間違いではないよ?間違いではないけど……そんな大それたモノじゃないんだけどな……
「お~!わかった!キスをしなかったらいいんだね?」
「違うよ!最終ゴールはキスだよ!キスをすれば勝ち!勝ち!勝ち!」
「え、キスすれば勝ちなの?じゃあ楽勝じゃん?」
「そう。楽勝楽勝!」
「ホントだね!楽勝楽勝」
「楽勝楽勝だよ!」
色々と間違って線が繋がったアリス先輩のポッキーゲームの解釈。だがまぁ……もう……いいか………どう説明してもどうせ香織が改変するんだから。仕方ない。仕方ない。仕方ないと思うしかない。
「ということでポッキーゲームをするんだけど普通に相手を選んでしてたらもう皆相手は確定してるでしょ?」
「もちろん。」
「当たり前。」
「間違いない。」
「正直言って。」
「……………」
決まってるんかい。いや、決まってるのは知ってるけどさ………1人を見て………
多数の矢印は晃太に向かって思いっきり刺さってくる。嫌だし回避したいけど出来ない。それが現実。現実回避出来ないただのクソゲーだよ。クソゲークソゲークソゲー………最低だよ。
「だからそのポッキーゲームをする人を決めるゲームをするよ!」
「ポッキーゲームをするためのゲーム?」
ゲームするためのゲーム。めちゃくちゃめんどくさいなぁ………もう。
「で、またまた香織ちゃん買ってきました!じゃ~ん!これでポッキーゲームをする人を決めよう!」
ど~ん!っと机に乗せたのは………
あの黒ひげが刺されていくあの今思えば残酷なゲームだった。
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