第226話 再出発。馬鹿な仲間を乗せて。

「トイレ休憩しゅ~りょ~!しゅっぱ~つ!ゲプ。」


アリス先輩の呼びかけでサービスエリアで異質をはなっていた………いや、ざわざわしていた、

アレ…リムジン?

黒いリムジンだ……

え、サービスエリアに何で?

てか黒いリムジンってヤクザじゃ………

乗ってる人も黒い格好した怖い人だったし…

え、トータルすると……


ヤクザの旅行?カチコミ?


うんな訳あるか!って周りの人の総意を取り下げたかったが………

もうこれ以上ややこしくするのはめんどくさかったので……遠くで眺めて人が徐々に立ち去る間にリムジンに乗り込んだ晃太だった…


「アリス?どしたの?ゲプって?」


「あ、心配しないで?ゲプゲプ。」


「いやいや………心配するよ………ゲプゲプゲプゲプって……何?何か食べた?」


「……うん。実はね………私サービスエリア初めてで……目につくもの全てがキラキラ光って見えて………フランクフルトにクレープ、唐揚げ棒にポテト、そしてたこ焼き………全てが美味しそうで美味しそうで……」


「で、まさか………」


「うん。食べちゃった。」


「サービスエリアでお腹いっぱいにしちゃダメだよ……アリス………」


「大丈夫!大丈夫!心配しないで!まだまだ食べられるし食べきれなかった分は忍が食べてくれたし。」


「食べました。」


「それに………」


ガサゴソ……っとアリス先輩の後ろから音が聞こえる。そして…………


「ほら!お持ち帰りも出来たし!また後で食べよ?皆で食べよ!」


並べられたたこ焼きとかB級グルメがズラッと並ぶ。


「どんだけ買ったんすか………」


「めちゃ買った!」


「…………」


そりゃ残すよ。だって普通にパーティーできるくらいだもん。ハウスパーティーだよ。ハウスパーティー。仲間たちとたくらーみだよ。


「ま、つまんでよ!つくまでにちょっとずつ?」


「つまむにしてはだいぶカロリー高めですけどね………」


と言いながら……アリス先輩の買ってきたモノをパクパク食べる皆。え、腹減ってた?腹空いてる?ならいいけど………というか……


「進藤……お前……復活したんだな。」


「おかげさま………」


あの白目向いて倒れて泡吹いてた彼が今は1人で座っている。


「良かったわ………も」


「私が看病してあげたからね!サービスエリアの多目的トイレで色々して優くんを復活させたんだよ!そりゃ色々して」


「あの………多目的トイレって多目的って書いてますけどしていいことと悪いことありますからね?」


「あ。そっか。それ昔ちょっと事件になったよね!私アンタッチャブルになっちゃうよ!」


「いや、アンジャッシュです。」


すれ違いがここでも起こってどうするの?



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る