第223話 気絶と秘密
「さぁ~!次いくよ~!王様だ~れだ!」
またまたアリス先輩の声で始まった王様ゲーム。
今回の当たりは………
「よっしゃ!」
「え、何で~?」
同時に喜と悲の声をあげたのは………
「王様、私!」
「私、じゃんけん勝ったのに~」
王様になった彗とじゃんけんに勝った百舌鳥先輩だった。
「じゃ~どうしようかな~?うーん。決まった!じゃ~!王様に5番がほっぺにチューする!」
彗………さっきの見てやりたくなってんじゃねーよ。そんな上手くいかないから………
晃太を見つめるな。晃太の番号は変わって1番だから。セーフだから。てか男子当たったらどうするんだよ。マジで。ヤバい………
「……………」
ちらっと彼を見るとその顔は地獄を見ているかの様だった。
「え?誰?5番?」
「私2番」
「私3番」
「私4番」
「私は6番でした」
「7番」
「8番」
「9番………」
段々と残り物になっていく彼。顔色がヤバい。優れてない。優れてないから。
「残るは愛人様と進藤だけですね!まさかやはり愛人様が5番………」
「………悪いけど………俺。1番」
「え、じゃあ……まさか………」
彗が振り向く先には………もう顔色青通り越して緑、ピッ○ロになってる進藤の姿があった。
「……………王様ゲームってクーリングオフ出来たっけ?」
「王様ゲームにクーリングオフシステム追加したらもうおしまいだろ………」
何でもありの欲望丸出しゲームになるじゃん。
「拒否とかもあり?」
「拒否してもいいよ?」
「あ、そうか。じゃあ拒否で……」
「じゃあアンタは王様ゲーム抜けてね?」
「は?」
香織の言葉に引っ掛かる彗。
「当たり前でしょ。王様が指定した話題をやらずにほったらかしで終わらしたらもうそれはルール違反でしょ。ダメダメ。負け負け。てか追放追放。」
「追放って………人狼じゃないんだから…」
「でもそうじゃん?ね?晃太くん?」
「オレに話題をふるな。やめろ。」
出来るだけ影を潜めていたいんだから。
「チッ。じゃあ仕方ない。進藤少し触れるだけヤレ。」
「え……………」
「じゃねーと次出来ねーから早くヤレ。」
「………言われても………」
「私には自らとかしないのに他の女にはするんだ。へぇー。」
横から毒針をザクっと刺すのは百舌鳥先輩。
「早くヤレ。」
「やるの?」
「じゃないと愛人様とのルーレットに参加出来ない。」
「やるの?やるの?私にはしたこと1度もないけどゲームだったらやるんだ。やるんだぁ~。へぇー。へぇー。」
2人の圧………言葉の圧、&顔面の圧に負けて………ふらふらになった進藤は………
バタン!
目を白目にして泡を吹いて倒れた。
…………ホント何でこんな残念な人間になったんだろ………初期は活発だったのに………
「どうする?進藤倒れて愛梨看病するみたいだしもう一旦やめちゃう?」
「あともう一回だけしよ?どうせトイレ休憩あるんでしょ?」
「あるに決まってるじゃん。林間学校だよ?」
あるのかよ………ないと思ってたよ。
「じゃあ今回はさっと引こ!せーの!王様だ~れだ!」
「あ、私です!」
「え、黒井?黒井か………別に王様になっても意味ないじゃん?」
「そんなことないですよ。聞きたいことありますよ!ズバリ好きな人物はいますか!え~と1番さん!」
「何その質問?」
「王様ゲームと言えばこれでしょ!普通は!」
「そんな普通なこと聞いて何になるの?意味ないでしょ?大体皆知って………」
「1番…………私………」
手をあげたのは………唯一知らない人物。
南 乃蒼だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます