第217話 一歩間違えたら犯罪者の発想力
「次拾うのは進藤と愛梨だよ。その間ちょっと時間あるから何か飲む?」
アリス先輩がそう問いかける。ドリンクの提供はありがたいんだけどさぁ……
進藤、進藤………
アイツ、もう、さんとかくんとかつけるヤツいないのか?アイツの存在フリー素材みたいになってないか?
「え、何でもある?」
「私の家を舐めないで~。お客様にそった様々なモノ用意してますから。」
「え~ホント?え~じゃあ、キャラメルマキアート!」
「無理だ……」
「わかった!あ、冷たいのでいいかな?」
「うん。逆に冷たいのがいい!」
「え、あるんすか?」
キャラメルマキアートというバカの言葉に即答したアリス先輩。
「あるよ~。市販のヤツだけどね?はい。コップどうぞ。キャラメルマキアートもどうぞ!」
「ありがと~!う~ん!飲みたいときに飲むキャラメルマキアートは旨い!格別だよ!」
満面の笑みで飲む香織………マジで提供したわ。
「忍はあれよね。はいこれ!」
「な、何すかそれ?」
「MONSTERってドリンク。」
「あ、あぁ……なるほどです。」
「ピッタリだな。言おうとした?」
「してません!してません!してませんから!」
「……心読んでもいい?」
「やめてもらってもいいですか……」
忍先輩、いつもよりちょっと絡みがウザめ…
テンション高いってマジなんだ……
テンション高いとかあるんだな……
「晃太くんは何飲む?」
「え、じゃあ……お茶で………」
「違うでしょ?」
「え?」
キャラメルマキアートを飲みながらそう喋る香織。
「違うでしょ?本音じゃないじゃん?」
「本音、本音だけど?」
「いや、違うね。本音は抹茶オレでしょ?」
「…………何で分かるん?」
気持ち悪いから関西弁が出てしまう。関西じゃないのに。
「顔に書いてる。抹茶オレって。」
「うんな訳あるか。」
「それは半分嘘で。」
「半分当たってるんかい。」
晃太、顔に抹茶オレって書いてるの?え、キン○マンの額のアレみたいに?抹茶オレって書いてあるの?消そ。テイッシュとかでとれるかな?
「ホントは長年の付き合いから。抹茶オレ飲みたそうな顔してたから。」
「どんな顔だよ。」
「その顔だよ。その顔。」
「今の顔?」
「そう。今の顔!他にも分かるよ?コーラ飲みたい顔とかお茶飲みたい顔、ソーダ飲みたい顔、それにコロッケ食べたい顔も。」
「食い物も?」
「もちろん。全部の表情理解してるよ?完璧だよ?」
「怖…………」
「怖くないよ?愛だよ。愛。これこそ純愛。全ての顔を理解して全ての表情から考えてることを理解して相手に合わせた対応をするのが愛。付き合う、いや、結婚するってことだよ!」
めっちゃ身振り手振りしながら話してるけどほとんどストーカーとかの考え方では?一歩間違えたら犯罪者………いや、コイツそういえば逆レイプ魔だったわ。警察つき出せるわ。
というかアリス先輩はうんうんみたいな感じでメモしなくていいんですよ。で忍先輩も表情筋柔らかくしようとしないでいいですから………まずスタートする位置が間違ってますから……
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