第215話 リムジンのイメージは黒なんだけどヤクザアニメの見すぎかな?
「行ってきます!」
「行ってらっしゃい!」
「気をつけてな!」
香織が晃太の親に挨拶して外へとでる………
イヤイヤ、何自分の家みたいな感じでラフに出てるの?意味わからん。てかウチの親も普通に送り出すなよ………
「晃太!」
「こうちゃん!」
「あい?」
何て思ってたら我が親から出発の挨拶?
「「香織ちゃんとの大胆な進展待ってるからね!」」
「送り出す言葉がそれか!?絶対に間違ってるからな?」
何てバカ親にツッコミをいれて外に出る晃太。イヤイヤ待て待て。こんなものでツッコミ疲れたらダメだ。まだツッコミの塊みたいなものが前にあるんだから。
わぁ。リムジンだぁ…………しかも黒の。カッコいいけど、カッコいいけどさぁ…………
「あ、おはよ!香織、晃太くん!」
「あ、アリス!おはよ!」
「…………」
何事もないように喋り出す2人。え、飲み込めない自分が悪い?と晃太は思う。だが、やはり自分を信じてツッコミをいれよう。
「あの………アリス先輩………」
「あ、ドアだよね!今すぐ開けるから待って………」
「いや。違うくて………あの………違うくて………あの、何でリムジンなんすか?」
「え、何でって?」
「いや、あの………林間学校行くんすよね?」
「そうだね!楽しみだね!」
「あの………普通林間学校とかバス何台かを借りてそれで皆乗って行くんじゃ………」
「え?バス?バスだとチーム感がないじゃん?」
「チーム感?」
「バスだとぉ、喋れても隣の人か前の人後ろの人くらいじゃん?」
「あの……それ普通………」
「それじゃ!チーム感がないじゃん!」
「…………」
「皆で話して会話してこその林間学校!コテージメンバーじゃん!だから、だからこそのリムジンだよ!」
「……………」
だからリムジン………とかその結論着地が意味不明ですけども。
「もちろん私達だけじゃないよ?他のグループもリムジンがお迎えに行ってるよ?」
「他も?」
「当たり前じゃん?私達だけリムジンとかズルじゃんか!」
「……………」
1グループ10人で数十グループあるんだぞ?
それを全部リムジンで?どういう金の使い方?てかどこにそんなリムジン売ってるの?てか他の人も絶対ビビるでしょ?林間学校行こ~と思って家出たら黒いリムジンあるんだもん。ちょっと大胆な誘拐かな?って思うわ。
「とりあえず中入ろ?話はその後で!ゆっくりとこれから皆のところ寄って拾っていくんだから!早く早く!」
「オッケー!晃太くんも早く!」
「…………はい。」
一旦考えることを放棄した。てか考えても無駄無駄。晃太の周りにマトモな人間なんていないに等しいんだから。
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