第213話 敵陣突入前日
そして、日は巡り………
明日には林間学校がある、そんな日にちまで経過していた。
「結局、南 乃蒼のことは分からずじまいかぁー」
「あー………そうだな。」
「雫のクラスメイトに聞いてみて何か時々仲良くしてる姿は見たことあるって情報だけはゲット出来たけど、それ以外はかすりもしないものばっか。マジで何なんだろ?南 乃蒼がこの私達のグループに入った訳?」
「そーだな。で、ちょっと言いたいんだが」
「うん?何?どうしたの?晃太くん?」
「お前また何でウチにいるわけ?」
「私の家だから。」
「俺の家だから。俺の部屋、だから。」
「だからぁもう理解して?私の家は私と晃太くんのモノ、晃太くんの家は晃太くんと私のモノ!ユノーセン?」
「ウチに………姉さんいなくて良かったよ。マジで………」
「姉さんは何処へ?」
「知らない。ただ今日は帰らないって言ってたけど。」
「じゃあよかた。私天才~!」
「いや、天才とか凡人とか関係なくさ……何で夜にまた忍びこんできた訳?」
「忍びこんでないよ。普通に玄関から来たじゃん?」
「だからそれがより迷惑なんだよ。」
晃太以外に香織を拒否するモノはいないのだから………四面楚歌なんだから。
「明日一緒に出発しよー!って」
「じゃあライムで送れよ。」
「ライムうつのめんどくて。
来る方が楽だし。」
「お前来たかっただけだろ?」
「うん!」
思いっきりいい返事………めちゃくちゃ腹立つ……
「来たかったし晃太くんの林間学校の用意のお手伝いもしにきたんだよ!」
「それなら結構。もう大体は準備してる。」
「え?そう?じゃあ確認するね?」
「めんどくさ……」
「えー、着替え!」
「はい。あるよ。」
「パンツの確認を……」
「何する気だよ?」
「パンツモグモグしようかな、と」
「皆が知ってるみたいに言うなよ?そんな気持ち悪い言葉はないから。」
「えー、じゃあスマホ!」
「ある。てか持っていっていいのかよって感じ。」
「アリスがOKだからね!」
「もうアリス先輩が法じゃん……」
「えー、充電器!」
「はいはい。ある。」
「充電は?」
「ちゃんとしてる。」
「あとは~………」
「あとはてかもう無いだろ?水とか食料はコテージにあるみたいだし。財布も自由らしいし。布団もあるらしいし。めちゃくちゃラフでいけ」
「懐中電灯」
「は?」
「懐中電灯、ランプ、そしてドーン!見て!一箱のコンドーム!じゃじゃーん!」
見せびらかす中に1ついらねーもの。いや、必要も見たくもないモノが。
「なんで?コンドーム?」
「するから!」
「は?」
「林間学校中にするから!私達!」
「ふざけんな。何処ですんだよ?コテージには俺ら抜いて8人いる予定なんだぞ?」
「だからこその懐中電灯とランプだよ!」
「は?」
「これがあれば夜の森でも真っ暗な中でもヤレる!」
「……………」
「レッツプレイ!アオカン!」
「………うん。寝るわ。」
付き合いきれない。コイツに。
「ちょっと!コンドーム買ったことを褒めるべきでは?」
「林間学校中にヤろうと考えてる奴に褒めの言葉なんてあるか!バカ!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます