第210話 予感は予言に変わりそれは期待を裏切る

「とりあえず私達の赤ちゃん確実に出来ました報告はこれくらいにして。」


百舌鳥先輩は気が抜けた、いや魂が抜けた進藤を引っ張りながら自分たちの話に一旦終止符をうつ。そして、


「香織からも何かあるんでしょ?報告が?」


「おー。よく分かったね?スゴーい。」


「アンタの親友なんだから分かるわよ。」


「おう!兄弟!」


ガシッっと握手をする百舌鳥先輩と香織。

色々ツッコミたいがまず、お前らは兄弟ではないだろ?どちらかというと姉妹、いや姉妹って言うには月日があまりに短すぎないか?

親友で止めておけよ。


「まぁ、アリスちゃんや忍先輩には言ってあるんだけど。もう少ししたら林間学校があるじゃん?」


「あ~。今年からどえらく改定されたアレね?」


「うん。それ!それをこのメンバーで行きたいな~と思って!」


「え~。めっちゃいいじゃん?最高じゃん。居心地良さ」


「待って、愛梨。確かにこのままの面子なら凄く居心地のいい最高の林間学校になるはず。だけど」


「だけど?」


「そこに+αを入れる。」


「+α?」


「綾崎 彗 幸山 雫 社 心音、この3人。」


「綾崎……幸山…社?社って晃太くんの?」


「お姉さん。頭がイカれてるくらいのブラコンで晃太くんと結婚しようとマジで真剣に考えてる。そんな人。」


「え、ちょっと待って………それじゃあ香織は、林間学校のコテージに、自称愛人。自称いや嘘つきの彼女。自称いや正真正銘のブラコンモンスター、この3匹を1空間に入れるつもりなの?」


「つもり、というか制限人数が10人である以上奴らも来るでしょ。確実に。」


「でも………」


「愛梨。これは戦いであり、天下分け目の大戦なんだよ。」


「戦………」


「勝てば幸せな夏休みが待ってる。

負ければ夏休みは来ないかもしれない。」


嘘つけ。夏休みは来るわ。皆平等に。


「この戦に勝ち全てを精算することで私達、沢 香織と社 晃太の周りで絡まりまくった糸が全て燃え尽きるはずなんだよ。だから協力して。お願い。」


頭を下げる香織に百舌鳥先輩は、


「頭上げな。そんなんで頭下げてたら一生下げ続けないといけないから」


「愛梨………」


「協力はする。香織の拗れたその蜘蛛の糸思いっきり引きちぎってしまおう。その手伝いを私も精一杯するわ。」


「私もよ!香織ちゃん!生徒会の力が必要なら存分につかってね!」


「愛梨………アリス………ありがとう!」


2人を抱き締める香織。

その様子をただ呆然と見ていた晃太。


また、めんどくさいことが起きるな……

これは予感じゃない。予言だった。


そしてその予言はピッタリと当てはまる。

しかも晃太の予想を大きく裏切る形で。

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