第205話 発狂 絶叫 墜落

話の始まりがコイツスタートだったことがマジで久々だと思われる。


「え~、点呼しゅりょ。オレの今日の仕事終わりに近い……」


「始まったばっかりだよ。灰カス。」


「ふぁ~。ねみぃ……しかし進藤が何も無しに欠席とは…真面目にも不真面目なとこあるんだなと安心したわ。」


「安心すんな。てかお前の価値観で話すな?」


「価値観は人によって違うだろ?」


「じゃあ何で今ねみぃんだよ?」


「深夜までパチンコ打ってたからな。」


「はよ、寝ろ。教育者。」


「教育者も忙しいんだぞ?その忙しい中を逃げ切れてようやくパチンコ屋にいけるんだぞ?」


「こなしてねーじゃねーか!こなしてから言えや!」


やはりクズ屑灰カス呼ぶに相応しい人物だ。再確認出来たわ。良かったわ。


ガラガラ……


そんな討論をしている間ゆっくりと開いた教室の扉………そこからは………


「お、進藤。遅刻か?流石優等生。欠席はしないか?」


灰カスのそんな言葉も聞こえていないのか、進藤はどこで拾ってきたのか長い木の枝を持ちそれを杖代わりにヨタヨタと歩く。まるで腰が壊れたか腰を使いすぎたみたいに………

ゆっくりとゆっくりと歩いたその先には晃太と香織がいて………


「……………」


何も言わないがただただ目だけの圧力でこちらを覗いてくる。その目は死んでいて………


「とりあえずホームルームはオワタ。オレは少し競馬中継でも見るわ。一時限目の準備だけしろよ~」


最後のシメすら屑な灰カスが去るとワイワイと騒ぎ出すクラスメイト達。そんな中……


ただただじーっと。こちらを覗いてくるだけの進藤。ただただじーっと。じーっと。じーっと。じーっと。覗く彼。


「何だ?どうした?何か言いたいことあるのか?」


亡霊のようなその姿に不気味さを感じた晃太はたまらず聞く。


「さっさと話せば?」


香織はそんなことお構い無くただただあっけらかんにそう言う。


しばらくすると進藤が重そうな口を開いた。


「お前ら昨日オレを探したか?」


「探した探した。5分くらい。」


「それは探してないって言うんだよ。」


進藤が死んだ目をより濁らせて話す。


「あの後オレがどうなったか分かるか?」


「分かんないし、興味ないし。」


「お前らが興味なくても言うからな……

あの後オレは百舌鳥先輩に引っ張られて近いラブホに連れて行かれて……連れて行かれて……連れて行かれて……それで……それで……それで……あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


突然の発狂にクラスメイト全員が驚く。

そして発狂した本人は……あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!っと。叫びながら……ドタっと倒れた……


「一体何だ?何があったんだ?」


「知らないけどこれは愛梨ちゃんに聞く案件だね!」


「人が発狂して倒れてんのに呑気だな。お前……」


神経どうなってんだ。こいつ。

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