第198話 ボケとツッコミは愛の証

「痛い!痛い!耳ちぎれる!」


「ちぎれても大丈夫。その耳焼いて食べてあげるから」


「何にも大丈夫じゃねーな!」


「じゃあ煮て食べてあげる。」


「料理方法で文句言ってるんじゃないんだよ!ちぎれた俺の体の以上について言ってるんだよ!」


「耳がちぎれた晃太くんでも愛すよ。」


「愛されても困るわ!」


「まぁ、そんなこんなありまして。」


「ナレーション口調やめろ。」


「じゃーん。着きました。私達の家!」


「訂正しようか。お前の家だよな?お前の香織家だよな?」


「私は社 香織になることは確定しているのでそこら辺はオールオーケー!」


「何がオールオーケーだよ。バカ。」


「さてさて。中に入って会議といきますか。」


「会議?」


「その通り!ママとパパに今日の有り様顛末を詳しく教えたからその要点にむけて会議してこ?」


会議してこ?でウインクする彼女。いやいや騙されないし。何普通に有り様伝えてんの?個人情報漏洩もいいとこよ?


「私の情報は晃太くんのもの、晃太くんの情報は私のものだから。」


「何そのジャ○アン理論」


「映画版ジャイ○ンと言ってほしいな。」


「映画版は優しいんだよ。お前みたいな感じじゃねー!」


「じゃあ、スタンド・バイ・ミーの時のでいいから。」


「じゃあ普通のジ○イアンじゃねーか!通常の映画効果ない○ャイアンじゃねーか!」


と、晃太がツッコミを入れきると、パチパチと拍手が………その主は、もちろん香織。


「あの?何の拍手?」


「いやいや、テストしてたんだよ。晃太くんの」


「は?テスト?」


「うん!通常かどうかのテスト!」


「何じゃそれ………」


「結果は、錆びてないな、と」


「は?錆びてない?刀の話……」


「ツッコミが」


「は?」


「いや、ツッコミが。」


「は?」


「ツッコミが錆びてないな。と」


「何?ツッコミの錆びとか?」


「ワビとか?」


「そのワビサビじゃねーよ!いちいちツッコミを入れさすな!理由を言え。理由を。」


「仕方がないですの~。」


「何、そのキモい喋り方。」


「私は~この頃構ってもらえなくてで、しかもお姉さんの前ではかなりいい子ちゃんをしてたんだよ?」


「んで?」


「前までの私と言えば、バチバチにボケいれて下ネタもいれてバリバリな状態だったでしょ?」


「知らない。知らない。お前のその匙加減知らん。」


「だから久々に二人きり邪魔な愛人野郎とかピュアブラックな後輩とかブラコン姉とかいない今だからこそ聞いてほしくて!私の、私だけの愛を!」


「愛?」


「愛だよ!ツッコミを入れられることボケが出来ることが愛なんだよ!夫婦漫才出来ることが愛なの!分かる?」


「………正直言うわ。

分からん!」

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