第197話 私、主役なんですけど!?

夏の地べたは夕方だが、少し暖かくだが気持ちいいモノではなくただただホカッとしているところに地べたの痛みがチクチクと膝に当たっていた。


「ちゃんと座った?シッダウンした?」


「あの、何か流れで正座になったけど正座じゃなくてもよ」


「正座でお願いするよ?じゃないとお空の星座になっちゃうかもよ?」


「いやいや、意味分かんないし……」


「分かるように実践してあげようか?」


「いや………結構です………」


その笑った目がとても怖かった。マジで怖かった。

気づけば周りには人がいなくなっていた。そりゃそうか………カップルのとてつもない痴話喧嘩だと思われたのだろう……申し訳な


「今散っていった人たちに向けて申し訳ないとか考えたでしょ?」


「エスパー?もしくはメンタリス」


「彼女。彼女。彼女なんですけどぉぉ!?」


「ど、ど、どうした?」


その勢いはマジでひく位の勢いで………


「この頃、いやこの数十話、」


「話?何のこと………」


「黙りなさい!」


「あっ、は、はい………」


ダメだ。聞く耳持ってないや。


「私だけだよね?晃太くんの彼女は?晃太くんに唯一認められた彼女って存在は!」


「あ、あ、あ………う、うん………そうだね………」


「そうだね?じゃないよね!晃太くんの周りに大量発生してるじゃん!愛人の彗 偽装カップルの雫 そしてお姉さん………」


「偽装カップルの件は知らないし、姉さんもホントに偶然のことで……」


「知る知らない知ってる知ってない分かる分からないごめんなさいごめんなさいじゃないとか関係ないから!」


「………」


グイッと顔を近づける彼女にビビリながら話を聞く晃太。


「私が怒っているのは!

この話、この物語、この人生は!

私と晃太くんの恋物語だよね!?そうだよね!?」


「あ、は、は、はい………」


その圧にただただ圧巻されるだけの晃太……


「私はただただ晃太くんとドキドキラブラブムギュムギュギューギューチュッチュッな物語をつくりたいのに!」


「途中聞き慣れない擬音があったけど」


「シャラップ!ビークワイエット!」


「なんなんの?所々に入り混ぜるちょっとした英語は」


○ー大柴かよ。


「ともかく私は怒っている!」


「うん………見りゃ分かるな……」


「分かるな、じゃなくて!しっかりしてくれる?馬鹿なの?死ぬの?騎乗死させるよ?」


「ちょっと意味が……」


「アイムアングリー!」


「だから強制英語は何………」


「私は、彼女なの。なのにここ数十話の扱い……どうよ?」


「数十話が意味分からんけど……1日くらいだろ……」


「私は主役のハズなのに脇役くらいまで墜ちてた!これはいけない!これはいけないでしょ!」


「わ、脇役って………」


「とりあえず帰るよ。」


「え、何処に………」


「決まってるじゃん。私達のホームへ。」

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