第192話 嘘から嘘から嘘っぱち
「いや。お姉さま。私はいや、綾崎 彗はですね。」
「いちいち名前で呼ぶな。覚えないからな?」
「あの~愛人様、つまりは晃太さんのことが好きで、好きで、好きでゆくゆくは赤ちゃんが欲しいなとか思ってる人間なんです!」
「いや、お前だな。確定したわ。お前だろ?こーちゃんの貞操を奪ったっていうクソ野郎は。」
「貞操ですか?今から奪うつもりではありますけど一番初めに奪ったのは横の沢…痛っ!」
自分の名前を呼ばれると思った香織は綺麗なスイングで顔を叩く。綺麗な平手打ちだ。
「痛っ!何すんだよ!沢!」
「あ、ゴメンね?彗。蚊が頬に止まってたらちょっとね。」
「ビンタする必要ないだろ!てか彗って…」
「ビンタじゃなくて平手打ちね?あと呼び方がどうしたの?」
「あんた何かおかしいわよ?呼び方もそうだし愛人様との関係も有耶無耶に……って痛っ!」
「あ、ゴメンね?次はハエがいて。」
「ハエがいたら流石に分かるし!てかビンタしたいだけでしょ?」
「あのよ。2人で盛り上がってるとこ知らねーけどよ。」
盛り上がってるとこ悪いけどじゃないのか。知らねーで通すんだ、流石姉さん………
「結局お前らはこーちゃんの何なんだよ?」
一番本質をつく質問………どう答えるのか…
「あ、私社香織は親友ですよ?で横のこの子彗ちゃんは晃太くんに告白したんですけど断られていまは愛人、愛人って言って傷を癒してるんです。ちょっとそっとしといてあげてください。」
ペコリと頭を下げる香織。
「ちょっと何捏造してんの?一から十まで違……」
シュッ、ストン。バタン。
「あっ、彗ごめん!首に虫が大量にいたから退治しようとしたら手刀入れちゃった!ゴメンね?」
手刀を入れられた彗はその場に倒れる。
「まぁ、ここ病院だし最悪目を覚まさないなら見てもらえばいいからね。あ、でも保険証あるかな?ないと全部負担しなきゃだもんね。大変。大変。」
口からポンポン多分思ってもないことを出す香織。
「てかよ。」
「はい?」
「親友だっていうお前が何でこの病院にまで来てるんだよ?しかもこーちゃんも。」
「あ~。気になりますか。気になりますよね。実はですね。」
進藤を指差し話を続ける。いきなりワールドに入った進藤はビクッとしたようだった。
「そこにいる進藤優くん。お姉さんは覚えてないかもしれないですけど晃太くんの親友でその進藤くんの彼女さんが、まぁ百舌鳥ちゃんって言うんですけどその子がおめでたいことに赤ちゃんが出来たかもしれない、って聞いていてもたってもいられなくて来たんですよ!ね?進藤くん?晃太くん?」
香織の目からは頷けというオーラがひしひしと伝わった。
「あ、うん。」
「あ、はい。でも赤ちゃんが出来たかどうかはまだ………」
「あの~すいません。お喋りしてるとこすいません。」
「あ、看護婦さん。うるさかったですか?」
「いや、別に静 動 どっちでもいいんですけど。」
「え、じゃあ何ですか?」
「あの。百舌鳥様の診断結果が終わりましたので一応報告にきました。」
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