第184話 テンション100 0

「それにしてもでけぇなぁ………ここ」


「巨大なラブホテルくらいデカイよね~」


「巨大なホテルでいいんだよ。」


何故にラブをつける?


「どうでもいいから進藤の場所に行こうぜ?進藤の場所は?」


「3階ですね。愛人様。行きましょ?」


「行きましょ?じゃなくて。お前も来るんだな?」


「何回も言わさないでよ?私は愛人としているのですからいつかは生まれる命のために」


「やめろ。」


「綾崎!何を言ってるの?私が宿すのよ!命。」


「わかってるよ?香織が愛人様の命を宿してから私が宿すから。」


「う~ん………ならまだマシか………」


「理解を示すな。バカ。行くぞ。」


まだ実行に動かずバカ言ってるだけマシか。

雫や姉さんと違って。




「あ、晃太!」

「晃太くん。香織ちゃん。に彗ちゃんも。いらっしゃい!」


待ってました、とばかりに手を振る進藤とペコリと頭を下げる愛梨さん。そして………


「初めまして。愛梨の母の柚子(ゆず)です。」


「初めまして。父の蘭(らん)だ。よろしく。」


神妙な面持ちでいる、百舌鳥先輩の親御さん。

そして……


「久々だね。香織ちゃんに晃太くん。」


「おじさん………」

「お久しぶりです!」


無理矢理作り笑顔の進藤のお父さん 進藤 淳(じゅん)さん。


「あの………おばさんは?」


「あ~。家内なら………来ないよ。」


「へ?来ない?」


「色んなことがありすぎて今家で寝込んでいるから。」


「あ、そう……っすか………」


御愁傷様ですとか言いたいけど言える雰囲気でもおじさんの顔でもない。


「あ、あの………初めまして。進藤くんのお父さんですよね?私、百舌鳥 愛梨の母です。」


「こちらこそ、初めまして。進藤の父です。」


「この度はその……」

「この度はその……」

「うちの娘が」

「うちの息子が」


「「なんかすいませんでした………」」


ペコリと頭を下げる2人。イヤ、当事者じゃないけどめっちゃ心痛くなる。なんかすいませんって………ホントそうだよね………

なんか………なんか………すいませんだよね。俺も………なんかすいません。すいません、って言いたくなる。


「ねー何で2人の親がペコペコしてんの?ねー晃太くん?」


純粋無垢に聞いてくるならコイツは鬼畜だな……と晃太は薄目で香織を見る………


「あの………今から検査ですか?」


「そうよ!今から検査なの!」


テンション高めの百舌鳥先輩。


「愛梨~!」


「香織~!」


「赤ちゃん出来てるといいね!」


「うん!そう願ってる!神社とかにも行ったし!神頼みはバンタン!」


「私も願ってるわよ!赤ちゃん出来ていたらパーティーだね!何食べたい?」


「う~ん。ピザかな?」


キャッキャウフフする2人。

それを見つめる皆………

お前らだけだよ。そのテンションなのわ。

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