第182話 避難の先には
「珍しいこともあるもんだ!私が甘えることはいっぱいあるけどまさか、まさか晃太くんが私に甘えてくるなんて!」
晃太の態勢は。
「それに私の体にギューだなんて!どう?私のおっぱい気持ちいい?私の子宮を感じる?」
「……………」
「よしよし。いい子でちゅね~!」
裸足で、死に物狂いでダッシュした晃太が急いで向かった先は……
「やっぱり私が一番なんだね?私が一番好きで大好きで愛してるんだね!私大満足!」
にんまり笑顔の
香織の家だった。
雫と姉さんとの二体の悪魔、鬼、怪物に詰め寄られた晃太はもう無理に、もう耐えきれなくなり………
自分の部屋の窓からFLY HIGH した。
そして後ろを見ずにダッシュで逃げた晃太、裸足でダッシュした晃太、もう痛さとか関係なくダッシュした晃太が向かった先には
「けどどうして裸足で来たの?痛くなかった?大丈夫だった?」
一応彼女の香織の家だった。
「まぁ………大丈夫だけど、あのさちょっと相談なんだけど、今日お前んちに泊まれる?」
「え!晃太くんからのお誘い?!ついに晃太くんからのセックスのお誘い!?ハッピーな日になる?!」
「あの……そのそんな期待にはそえないんだけど………ただただ泊まりたいだけなんだけど。」
「恋人の家に泊まって泊まりたいって言ってイヤらしいことを考えない女の子はいないよ!わぁ~、いないよ!」
「お前がスゴすぎるだけだろ……」
「何?」
「欲。」
「あ~性欲ね!性欲満載だよ!」
「………言うな。バカ。」
「だけどだけど!こんなこと初めてじゃん!これは期待しちゃうでしょ!そりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃ」
「祭りか。」
けど今はこのバカの存在が安心してしまう。バカが安心材料になる。あの2人よりマシだわ。あの状況より楽だわ。
「香織。」
「何?」
「明日だっけ?進藤のために病院行くの」
「あ~確かね?」
「行くのは誰だっけ?」
「晃太くんと私と愛梨ちゃんと進藤と……多分アイツも来るんじゃない?綾崎も来るんじゃない?知らないけどさ。」
綾崎という時だけちょっとだけ不満そうな顔していたがとりあえず来るメンツはそれだけらしい。その呼ぶ名前の中には雫のこと、そして姉さんのことが入ってないことに安心した。
そして………
「とりあえず飯とかはいいし風呂もいいから寝るだけ寝させてくれ。」
「いーよ!彼氏サマの言うことは絶対だからね!けど彼女サマの言うことも絶対だよ?」
「何すりゃいいの?」
「とりあえずせっく」
「しないから。」
「じゃあ………とりあえず一緒に寝て?隣で。」
「裸じゃないよな?」
「………チッ。」
「チッじゃねーよ。お前の寝るのイメージはもうそれだけなのか。バカ。」
「えへへ!」
バカみたいに笑う香織。頭の中はセックスのことばっかりでめんどくさいが…………
「香織。」
「何?」
「お前の存在に初めて安心したわ。」
「え?どーゆーこと?」
不思議そうにしている彼女だが、まぁ……いらないことは言わないでおこう。
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