第176話 逃げ場無し

迫ってくる雫。

それを恐怖から避けるが手を握られているため転けてしまう。


「逃げちゃダーメ。」


「逃げてないから手を離してもらえます?」


「逃げたもん。逃げたからダーメ?」


ニコニコしながら離さずギューっとする雫。


「どうする?」


「何が?何が?何が?何がどうする?」


「服の上から揉む?」


「揉まねーよ!揉まねーから!」


「あ、そっかぁ………服の上からじゃ吸えないか………」


「待て待て待て!揉んだりしねーよ!」


「え、お姉さまは吸ったのに?」


「す、吸ってねーよ………」


「はいはい。分かりました。分かりました。大丈夫大丈夫分かりましたから。」


「改まるな!」


「吸ってもらおうかな?揉んで?さぁ。」


「いや、無理だから!無理だから!」


「そんな声デカくてもいいの?お姉さま来るよ?」


「脅しか?」


「脅しじゃないよ?ヤッてきたことを私にもしてくれたらいいだけの話だよ。」


「やるか!マジで!」


「ヤッたんだ。やっぱり。」


「あ。」


騙された………この野郎…………


「だから傷つきました。だから吸ってもらおうかな?揉んでもらおうかな?」


「いや、無理矢理無理だから!」


「何で?お姉さまにはしたのに。」


「姉さんはギリギリで大丈夫だったから!姉だから!姉だから!」


「異性なのに?」


「同じ血が流れてるから………」


「もう。こーくん往生際が悪いね?仕方ない。」


「うん?」


ガチャガチャとポケットから何かを出す雫。

それは……


ガチャ。


「ガチャ?」


「ガチャだね!これで逃げれない。」


「お前!止めろ!何で手錠だよ!」


手錠には色々な嫌な思い出がある。ホントに嫌な思い出が………


「大好きだよ?」


「今のタイミングで言うことじゅねーよ!外せ!外せ!はず……」


ムニュ。


暴れる手を掴まれ雫は自分の胸へと持っていく。

そして。


「お前………止めろよ………」


「どう?大きさは違っても柔らかさなら負けてないと私思うんだけど?どう?」


無理矢理晃太の手を動かす。


「や、やめろ…………」


「テントはっちゃう?私の胸で興奮しちゃう?」


無理矢理動かす雫。


「お前………いい加減に……」


しろ!そう強く言おうとしたその時だった。


トントン


っと

ドアを叩く音が聞こえる。

冷や汗が出る中聞こえる声は………


「こーちゃん。一緒に寝よー。いや、しっかり言うね。夜這いに来ました。あ~け~て~?」


非常識なことをいう我が姉だった。


「こーくん。次はおっぱい吸って?服は脱がしてくれていいから。」


「こーちゃん。一緒に寝よー。そしてさっきのお風呂の続きをしよー。もっと激しくもっと艶かしく………一緒にヤろ?」


目の前には襲いかかる後輩。扉の向こうには究極のブラコン。

逃げ場はどこにもない。

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