第175話 夜はまだ終わらない

「また後でね~!」


「………………」


階段を登りながら呆然とさっき起こったことを思い返す………いや、思い返したくないけど。思い出してしまいまた地獄を見る。

…いや、アレは夢だったのではないか?夢だったんだよ。あんな悲惨なこと現実に起こる訳ないし…………そうだ。そうだ!そうだ!

この扉を開けたら誰もいないしさっきも無し………


「……………あっ。お帰り!」


「…………………何してんの?」


やっぱり夢ではなかったよ。この目の前のバカ見て再確認してマジで最悪だよ。


「お風呂長かったね?」


「…………………」


やっぱりさっきのお風呂の地獄は……………雫の言葉でゆっくりとさっきの地獄が肯定されてしまった………あー、あれは現実なのか、嫌だな………


「まぁ、何か色々なことがあってさぁ……」


「何?おっぱいでも吸ってきた?」


「えっ………」


「え、当たり?」


「いやいや………あた、当たりとかないから…………ていうかお前は何してんだよ?」


「服貰ったしぃ、次に何が欲しいかな?って思ったらやっぱり部屋の空気だなぁ、って思ってさ!だからビニール袋に空気入れてた。」


「変態………」


「私は純粋な恋する乙女だよ?いやいや、変態なのはこーくんでしょ?」


「へ、変態?」


「だっておっぱい吸ってきたんでしょ?」


「吸って……ないから……」


「じゃあ今嘘をついてるなら大声あげるけど大丈夫?」


「な、何で?」


「嘘をついてないかどうか目を見れば分かるから。大丈夫だね。見てもいいね?」


「ちょ、ちょっと待って………」


「何で?嘘をついた?」


「いや………」


「嘘をついたね。あぁ、嘘つき良くないんだ~」


「違う、違う、お風呂で何もなかった訳ではないけどあんま聞かないで………」


「おっぱい吸ったんだね。わかったわかった」


「分かるなよ……わか………」


「私は傷つきました。だから………」


「?」


「私も揉んで?」


「…………何を?」


「ここで分からなければバカだよ。揉んで吸ってヤることヤってきたのに………」


「いやっ、俺から誘った訳じゃなかったわけじゃないのに………あっ………」


ニコリと笑いながら雫は晃太の手を持つ。


「はい。じゃあわかったよ。………うんうん。うんうん。うんうん。さぁ……おっぱい揉んで吸ってもらおうかな?」


第2ラウンドスタート。

今日はお風呂だけでは終わらない。

というかまだまだ終わりでもない。

これは序章でしかなかったのだから。

これから始まる最悪で最低な1日の始まりでしかなかったのだ。

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