第172話 めんどくさいスイッチ

うちはお風呂がでかめである。何でか、それは父が 風呂がデカイ家は金持ちになれる、という持論を振り回したからである。それが正解なのかどうなのか未だ分からないが今も普通に暮らせているのだからまぁちょっとは効果はあるんだと思っている。

だが今、この状況ではデカイ風呂は厄介でしかない。


「私身長170センチだけどこーちゃんは?」


「身長175くらいかな…」


「まぁ余裕で入るよね。」


「……………」


そうなんだよな………余裕で入れるんだよ。

ドでかくつくりすぎなんだよ、バカ野郎!

てか170センチ Jカップってうちの姉スタイルどうなってんの?


「さぁ入ろうか。」


「入ろうかってマジで入るの?」


「入るのよ。当たり前じゃん。ほら脱いで?」


何の躊躇もなく脱ぎ始める姉。


「…………………」


「ほら、早く脱いで?全部脱いで裸の付き合いをしよう!」


「裸の付き合いは同性が言うことなんだけど?」


「何?恥ずかしいの?はずかちいのでちゅか?」


「別に恥ずかしくないけどさ……」


「ならほら脱ぐ脱ぐ!」


プルンっと出てくる姉のアレ。


「……………タオルとかアリ?」


「テレビの現場でもタオルつけて入るの許可いるんだよ?」


「テレビじゃないよね。」


「こーねチャンネルはタオル巻くのはNGです!」


「はぁ…………」


とりあえず一言めんどくさいな………


「脱ぎますよ……はいはい…」


「お、ぞうさん見える!見える!見える!見える!見える!見える!見える!見える!見える!見える!見える!見える!見える!見える!見える!見える!見える!見える!見え…たぁ~~!」


「あの……世界一卑猥な実況止めていただいてよろしいかな?」


見えたぁ~!じゃないんだよ。

野球でいうところのホームラン入るか、入るか、入るか、入るか?……入った~!みたいな実況をしないでくれ。


「じゃあ入ろうか!」


「はいはい……」


「あ、その前に。」


「あ?」


「こーちゃん。私の体どう思う?」


「は?」


スタイル強調したポーズをする姉さん。


「どう?発情する?」


「発情って犬じゃないんだから」


「人間皆発情するモノなんだから」


「だからってさぁ……姉さんに発情は」


「しないって言いたいの?アレアレオカシイナー」


顔が苦虫を噛み潰したようになる姉さん。


「ワタシオッパイデカスギルカラドンナヒトデモハツジョウスルノニ」


「いやいや………」


「マサカコーチャン?」


「えっ?」


「ホカノオンナノハダカミタ?」


「エッ?」


嫌な汗が出る。


「トリアエズハイロウカ。カギシメテ。」


ドンっと押されてお風呂場に入れられてガチャと閉められる。


あ~…………めんどくさいスイッチ押したわ

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