第171話 積み重なる罪

「さてどうするか………」


「なんで正座してるの?」


「うるせぇな!お前は!今ピンチなの分かるだろ?」


「あ~、お姉さんとお風呂入るかどうかのこと?入ったらいいじゃん?」


「何で姉と入らないといけないんだよ……」


「え、もしかしてさ………」


「あ?」


「こーくん。お姉さんのこと性の対象として見てるの?」


「見てねーよ!」


「あ、良かった。近親そーかんはヤバめだからね。」


「近親そうかんな………」


「どうしたの?」


「俺は大丈夫でも姉さんは望んでるんでるんだよ。」


「何を?」


「俺と付き合って……」


「突きあうこと?」


「上手くねぇよ……」


ホントに上手くねぇわ………


「とりあえず行かないと進まないでしょ?」


「進みたくねーんだよ……」


「大丈夫だよ。流石に行動に移さないだろうし」


「とりあえず………お前は行けと?」


「行かないと私の行動も上手くいかないし?」


「何でお前のために行くんだよ……」


「当たり前じゃん。お姉さまに認められるのはこの私 雫ちゃん一人でいいんだから!」


ドンっと胸を叩く。お前が誇るべきモンじゃないんだけどな。







「はぁ…………」


ため息をつきながら重い足を動かす晃太。

何故この年で姉と風呂に入らねばならないのだ。マジで意味がわから………


「こーちゃん」


その言葉に背筋が凍りそうになった。


「ね、姉さん……」


「こーねだよ。こーね。」


「あ、こ、こーね………」


「さぁ入ろう。」


「ちょいちょい………」


背中を押してくる姉に一旦ストップを入れる。


「何?」


「何分入るの?」


「お風呂入るのにそんな何分とか決めないでしょ?決めてから入るの?」


「いや………そんなことはないけど………」


「ねぇ。」


冷たく放ったその言葉は心をぶち抜いた。


「やっぱり女の匂いがするね。女の匂いと女の勘が冴えてるよ。私。」


「いや………そんなことな」


「じゃあ入れるよね?入ってくれるね?」


「い、いや………あ、は、は、は、は……」


「一緒に入る。+α私の体洗ってね。」


「い、いや………そんなことは…」


「出来ないとか無理とかないでしょ?ふざけてる?誰かとしてる訳?誰かともう何かしてる訳?もうヤッたやつがいる訳?なら殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す…」


「ちょっと待って、待って!入るから…」


「入るだけ?」


「入るだけじゃダメなの?」


「入って洗って私のこと揉んでくれる?」


「え?」


「もう話すだけじゃダメだね。ほら行こ!」


「え、ちょ、ちょっと………」


今何て?今何て?

一緒に入って姉さんを洗って、最後………

揉んでって言われなかったか?

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