第160話 土下座と犯行声明
「お前らは俺に対する扱いが酷すぎる。」
昼休みもあと15分ほど不貞腐れた進藤がそういう。
「俺が相談しに来たのにそれを無視して鬼ごっこしやがって。」
「悪いって。」
「絶対に悪いと思ってないだろ?」
「正直めんどくせぇとは思ってるけど」
「ほら~!」
「ちけーよ。顔が。顔がちけーから。」
もう鬼ごっこで疲れたし新しい女子(クセあり)にも頭一杯でホントにヤル気ねーけど、聞くだけ、相談くらいは受けようか。
「で?進藤、お前が助けてって言って来たのはなんな訳?」
「よくぞ聞いてくれた!」
「お前が聞けって言ったんだろうが。」
「実はな…………百舌鳥先輩………」
「お前まだ百舌鳥先輩呼びな訳?」
「べ、別に本人いないからいいだろ?」
「後でチクるからね~。」
「……………、あ、あ、あいりがね……」
香織の言葉に言い方変えたけど言い慣れてないのバレバレ。コイツまだそこな訳?
「とにかく彼女の親御さんが一度病院に行って検査してもらおうってことになった訳」
「おぉ」
「拍手じゃねーよ!マジで!」
「拍手くらいしかむかえるモノなかったから」
「でその病院にうちの親もついていくって聞かなくて…」
「で?」
「今週の金曜日に彼女の親と俺の親と2家族で行くことになっちまったんだよ…」
「んで?」
「で?じゃねーよ!お前もお前も張本人の一人だろ?だからついてこいってこと!」
「張本人?」
「ついてこい?」
「だって元はお前らが百舌鳥先輩を暴走させなければ無かった話だろ!だからついてこい!」
「香織」
「うん?」
「せーので言うか。」
「あ、うん。せーの。」
「「行かない」」
「何で?元はお前らが………」
「そこまで一カップルの成り行きを見届ける必要はないしな……」
「それにお前らが悪いとか、それって愛梨ちゃんに悪いとか思わないの?そんな言い方して信じられないんだけど。」
ズブリズブリと進藤に刺さる正論の矢。
だってそこまでする必要ある?
とその時、
「社センパ~い!」
背筋がビクッとする声が聞こえた。
その主は。
「雫ちゃん?」
「雫でいいですよ?後輩ですし小さいですし!」
さっきの暴走モードではなく猫被りモードの彼女。
「ど、どうしたん?」
「どうしたのって先輩。これ。」
手には晃太のケータイが。
「あ。」
「何か言って私の机に置いていきましたよね?だから置きっぱで今ならここにいるかな~って思って。」
「あ、ありがと。」
「いえ!では!」
急いでかけていく彼女。
「意外といい子よね。」
「確かに愛人様に惚れてる様子もないですし」
この嗅覚鋭い2人すら代え潜る彼女。
素晴らしい。でケータイを開くと一つのライムが。
「もう勝手にいれちゃいました!
幸山 雫です! 雫って呼んでください!これから私はあなたをいや、あなたたちをゼロにするため働きますから……覚悟してくださいね(*´∇`)」
怖。もう犯人の言葉だよ。
「もうケータイも帰ってきたしかえろ……」
っと進藤を見るとピッチリキレーな土下座をしていた。大衆の前で。
「お前……さぁ……」
「お前らがうん。来る。って言うまで動かない!絶対に!」
あ~、あ、めんどくせぇ。また欠席だよ。大丈夫かな。成績。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます