第148話 放送室ジャック事件
やはり生徒会室は安全である。
厄介なヤツは来ないしここを隠れ蓑にすればかなりのアイデンティティになると思うが。そんな中………キンコンカンコーン……
放送のチャイムが鳴った。
その時何故か晃太は嫌な予感を感じ取った。
「ちょ、やめてください。」
「勝手に入ってきて何なんですか?」
「目的は何なんですか?」
ガヤガヤガチャガチャと聞こえる音と雑音、そして放送室の部員であろうと思われる声…
その中で1人の生徒が声をあげた。
「晃太く~ん」
その一言で全身に寒気が来た。
その声の主は。
「彗だよー。綾崎 彗だよ~。」
綾崎。その人だった。
「晃太くんどこにいるのかなー何か昼休みになったら姿が見えなくなってさぁ~私一緒にご飯食べたいんだけど~何かいなくなって~なんでだろ~?一緒に食べよーよ?まさか逃げてる訳じゃないよね?逃げてたら私泣いちゃうかも~。何てね。ともかくどこにいるのかな~?もし教えてくれないならこのままこの放送室をジャックしちゃうぞ!ってね。まぁホントにジャックするけどねー来ないならここにいる生徒さんたちは私のリサーチ能力で得た秘密を暴露していくからさー早く来たほうがみんなのためだよ?晃太くんは優しいじゃん?皆に迷惑かけたくないでしょ?だからきてくれないかな~?私君のセフレ兼愛人だよね~。だから早く来てねー。制限時間は5分だよ~。早く来てね~。じゃあーね。」
プツンっと雑に切られる音声。
「晃太くんあの声の子は?」
「……転校生の綾崎 彗です。」
「で君がここに逃げてきた理由でもあるわけだね?」
「そうっすね……」
忍先輩の言葉に頷くしかなかった。
「私行くわ。生徒会長として生徒の暴走を止めなくては。」
「アリス先輩に迷惑はかけられません。ヤツの狙いは俺なんです。俺だけなんです。ヤツと話し合う必要があるんです。また。」
「それでも生徒会長として同行はするよ。」
「会長が行くなら私も行きます。」
忍先輩も腰をあげる。
「こうたん。私も行くよ。アイツといい加減決着つけないといけないと思ってたんだよ。」
香織も真剣な顔でそういう。
「………分かりました。けど代表して入るのは俺と香織だけなのでアリスさんと忍先輩は外、もしくは放送委員の方の救助に回ってください。」
「わかったわ。」
「わかった。」
晃太は自分の頭を振りそして頬を叩く。
アイツ、綾崎 彗の暴走を止めるには俺がキチンというしかない。ホテルの時みたいな甘い感じではダメだ。もっとキツくやらないと。でないとアイツは暴走する。暴走を繰り返す。とにかく急がないと。俺も香織もそして彗もこれ以上面倒事は御免だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます