誕生日プレゼントは俺って言ったら幼馴染みに襲われた件

第147話 近づく初めての。

頼むから平穏な日常を取り戻したい。

それだけが晃太の望み。だがそれも上手くいかないのが人生というヤツで。

場所は現在生徒会室。時間は昼休み。

何故ここにいるのか、理由は簡単。一番この学校で知られてなくて安全だから。

「ありがとね！アリスちゃん！急に生徒会室に来たいなんていって！」

「いやいやいーよ！香織が言うことだもん。叶えてあげたいじゃん？」

「う～！我が友～！」

「もう！急に引っ付かないでよぉ～。ビックリしちゃうじゃん！」

じゃれ合う2人を見つめる忍先輩。

「忍先輩もあざす……あの～生徒会室急に開けてもらっちゃって……」

「いや。いいですよ。私たちの恩人の頼みですから。」

「恩人だなんて……」

「それに。」

「それに？」

「また何か起きたんでしょ？晃太くんの周りで。」

「………」

「その顔は図星って顔ですね。ホント賑やかな周りですね？」

「ハハッ……」

忍先輩の言葉に乾いた笑いしか出なかった。

「俺のこともそうですけど…あの～…」

「うん？」

「忍先輩たちは大丈夫何ですか？クラスメイトとの関係とか？」

前見た自己紹介では結構危なげな印象を受けたけども……

「君は優しいね。」

「え？」

「自分がどんだけ危機的状況でも人の心配をするんだから。」

「いや……気になっただけで……」

「だからモテるんだよ。多分君の魅力を知ったらまたライバルが増えるだろうね。」

「ホントにやめてください……マジで。嘘から真になったら最悪なんで…」

これ以上ややこしくしたくない………

「だけど君の思ってるようではないよ。大丈夫だよ。僕らもクラスメイトに馴染めてるよ。」

「あ、そうなんですか？」

「うん。アリスには男子生徒は何故か近寄らないけど。女子生徒はアリスの可愛さにひかれて続々友達を増やしてるよ？」

「………へー。そうっすか。」

たぶん男子生徒、忍さんの圧にやられてるんだと思うんだけどなぁ……まぁでも上手くいってるようで何より。校長もいない今失われた青春を取り戻しているようで何よりだ。

「というか晃太くん。もうすぐ夏休みだが予定は？」

「予定っすか？……まぁ適当に」

「ちゃんと香織ちゃんを満足させてあげるんだよ？」

「はい？」

「恋人になって初めての夏休み。彼女も期待してるんじゃないかな？」

「期待って……」

「君からデートに誘ったことないでしょ？」

「……まぁ……」

「誘いなよ？僕も誘うつもりだから。出来ればダブルデートもオッケーだよ。」

「ダブルデートって……」

「あ、2人とも何話してるの？」

「いや、何でもないよ？男同士の会話だよ。な？晃太くん？」

「あ、は、はい……」

笑いかける彼の表情に苦笑いしか出来なかった晃太だった。