第142話 ヤンデレは遅れてやってくる
「よしっ!これでしっかりとお話が出来るね!」
「あっそ。人を椅子に座らせて両手にグルグル巻きにしてがスタンダードスタイルな訳?」
素晴らしいね。何?スラム出身?
「何から話そうか!あんまり話してもつまんないしね?」
「さっさと話して解放しろ。」
「あ!私が晃太くんを好きになった理由を教えてあげるよ!」
全く話が噛み合ってない。というか噛み合わせる気がない。コイツに。
「晃太くんとは幼稚園からの仲だよね?」
「一応な。」
「ちなみにその頃から好きでした!」
「ませた幼稚園児ですな」
「人よりも晃太くんが光って見えたんだよ。」
「物理的に人間は光らないからな?」
「何回も何回も近くに行こうとした。行こうとした。けど、その度に跳ね返された。ヤツに。香織に。」
「知らず知らずにスーパー便利な用心棒がいたんだな。」
「アイツがいなければ、香織がいなければ、そう何度も思った。その考えは変わることはなく小学生になり私は香織をいじめることで晃太くんとの接点をつくろうとした。だけどそれもダメな判断だった。」
「ダメな判断っーか」
「名前は覚えてもらえたけど、何度も何度も香織との仲の良さを見せつけられて終わった。最悪だよ。」
「いじめから発生する恋とかねーんだよ。」
「小学生で私は学んでいじめでは無理だと悟った。そして中学 高校と違う道を進むことになった。で今また交わり今に至るんだよ。」
「今に至る、のホントの今の現状は説明出来てないけどな?」
何故好きな男にこんなことをする必要がある?
「私は分かったの。」
「分かった?」
「あの香織がセックスしたくらいで晃太くんを奪ったと思ってるなら私はもっともっとすればいいんだと。」
「何を?」
「何をって当たり前じゃん?
セックス中だしだよ?」
そう言って自分の上の服を脱ぐ。プルンプルンの胸と下着が目につく。
「お前………マジで…………」
「この展開には慣れてるでしょ?だってもう2回セックスしてるらしいじゃん?」
「慣れてる訳ねーだろ。」
「かわいーいー」
「お前…………」
バカにした感じで言葉を吐きながら下も脱ぎ出す。
「お前………マジでやめろ。警察に言うぞ?」
「警察に言われても私も精子たっぷり入れられた後なら何にも文句ないよ。」
そういいながら薬を飲む。その薬は………
「赤ちゃんが出来やすくなる薬。」
「お前………マジでやめろ………」
「やっと慌ててくれたね。でももう無理だから。」
「無理だからとかじゃねーんだよ!早く離せ………」
「ドタドタすると椅子から落ちるよ?ほら、静かに、暴れないで。ズボン脱がすからね。」
ホントにヤバいっ。マジでヤバいっ。誰か助けてくれ………情けないけどやっぱり頭の中に出てくる助けの手の人物は…………
バコンっ!!!!!
何が吹っ飛んだ音が聞こえる。
そしてトコトコと歩く音が………
その正体は………
「香織?」
「助けにきたよ。こうたん。」
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